霊獣召喚学園ガイア 〜Summon the Spirit〜

作者 鉈手ココ

23

9人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

動物の霊「スピリット」を召喚できる中でも優秀な能力者のみが入学を許可されるガイア学園に、親友のギンガを差し置き、想定外に入学者に選ばれてしまった主人公:アルト。気弱で影が薄く、自分なんて、と悲観しがちな性格の持ち主ですが、ガイア学園で素敵な仲間や、かっこいい先輩、そして信頼できるスピリットに出会ったことで、彼の心の奥底に眠っていた強さが花開きます。その工程は大変爽快で、成長していくアルトから目が離せなくなるでしょう。

登場するキャラクターはどの子も所持しているスピリットにあわせ、ひとりひとりインパクトに残る面白い個性があります。お気に入りのキャラクターをぜひ見つけてさらにこの物語を楽しんでほしいです。

また、アルトがガイア学園に入学し初めて霊獣バトルを生で観るシーンや、敵対組織のムゲンとの絡みが発生するシーンは、ドキドキすること間違いなし。

最初から最後までずっと面白かったです。練り込まれた世界観、設定に、たくさんの人に浸り込んでほしいです。ぜひ読んでみてください。

続編への伏線も散りばめられておりますので、またアルト達と会える日を心待ちにしています。

★★★ Excellent!!!

地球環境が大きく変わってしまい、動植物が絶滅してしまった千年後の世界。
そんな世界で、絶滅動物の「スピリット」を「召喚」あるいは自身に「憑依」させる力を持った子供たちの集まる学園での物語……というアウトラインから、ビンビンに気になる方は多いんじゃないでしょうか、僕はこの辺でもうテンションが上がります。

スピリットを巡る描写は、「自分の心を映す存在」「無二の相棒」「召喚してバトル」「動物の力で自分を強化」などなど、胸踊る要素が満載です。それぞれのスピリットの特徴もかなり尖ってまして、対戦する、あるいは共闘するときの組み合わせの楽しさも最高です。

そんな中で、「見えない」スピリットと巡り合ってしまったアルトくんが、劣等感を抱きながら、あるいは周囲の刺激に曝されながら、オンリーワンの力とどう向き合い、活かしていくのか……というポイントも見所の一つです。
誰かの視線は怖くても、自分にしかない力で、自分を輝かせるために。

学園に集った少年少女、そして教師陣も個性派揃いで。性格も背景もバラバラで、それを巡る対立を経ながらも、時には互いを認め合い、自分を預け合う。そんな友情模様も、熱くて温かいです。

そしてこれらを紡ぎ出す、児童文学風なテイストの文体に、懐かしさがこみ上げます。夜の電車の中で、スマホ越しにガイアを覗き込みながらも、十数年前に小学校の図書館で本を開いていた頃の感覚が呼び起こされるような、不思議な瞬間を味わったりもしました。

文体だけでなく、物語の全体にそんな手触りがありました。スピリット描写の魅力は前述しましたが、そんな世界観は物心ついた頃から今まで、ずっと摂取し続けて、「自分だったら、とんな?」と妄想してきた訳で。きっと、カクヨムにいらっしゃる方はそんな思い出も少なくないと思います……え、やってましたよね皆さん(汗)

そしてアルトくんのような、自信がなくて、… 続きを読む

★★ Very Good!!

※このレビューはネタバレを含んでいます。未読の方はお気をつけください。







最終話まで拝読させていただきました。少年少女が活躍する物語が大好きで、また人間でない存在と絆を結ぶという設定も自分の好みにどストライクでした。

主人公のアルトはあだ名で『透明人間』と言われるほど特徴がない、少なくとも物語当初は自他ともにそういう人間と思われ、また優秀な兄や同級生ギンガというアルトにとって雲の上にいるような存在がいることもあって、自分に全く自信が持てずにいます。そしてこのコンプレックスは物語中盤にかけてもとある事件が起こるまでなかなか直りません。しかしその事件以降、チームとなった同級生たちと交流することで自分のことだけに気をとられず、アルトの持つ元来の優しさが出てきて、徐々に自分に自信が持てるようになっていきます。最初はヘタレな主人公が誰かを助けられるヒーローに成長する物語と言ってしまえばありきたりですが、この作品はその過程がとても丁寧に描かれていて、また自分のコンプレックスに一つの決着をつけられたこともこの作品が優れているところであると思います。

ただ一人称視点故の弊害か、スピリット以外の独特のSF設定があまり活かされていないのが少し残念です。アルトが元々住んでいた第十七居住地域がどのような場所か描写されていないため、アルトが初めて木を見た描写(そういう箇所ありましたよね?)があまり活きておらず、この時代の人間の特徴の描写も唐突に感じました。スピリットの設定を現代に落としこむのが難しかったとしても、それならあまり時間を空けない近未来設定でもよかったような気もします。そして一番気になったのは最後に出てきた黒フードの人物の正体が(なんとなくわかるようにほのめかされてますが)一切明かされないことです。これに関しては投げっぱなしにするのは、もしこの作品が投稿用だとすればとても… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

今よりずっと遠い未来。
絶滅した動物たちの力を借りて戦う、特殊能力を持った少年少女たちの友情と成長を描いた学園ストーリーです。

能力者の集まるガイア学園に入学した主人公のアルトの能力《スピリット》は、「パンサーカメレオン」という、誰にも姿の見えないもの。
最初は落ちこぼれの劣等感を強く持っていたアルトですが、大切な仲間を得て、だんだん強くなっていきます。

登場人物のバランスが良く、どのキャラクターにも味があります。
私の推しは、いじめっ子だったシドと、それに立ち向かった強メンタルガール・ヤコちゃんの凸凹コンビ。
脇役のマッスル先生も、暑苦面白くて好きです。
そしてもちろん、アルトの終盤での成長には胸を打たれました。

人は皆それぞれ、得意なことと不得意なことがあります。そこに優劣なんてありません。
様々な力を持つ仲間たちと手を取り合って前に進めば、一人ひとりでいる時よりももっとずっと大きな力を出せる。
すっと背筋が伸びるような、自分も何かを頑張ろうと思えるような、とても清々しい読後感でした。

大変読みやすい文章と、丁寧に作られた世界観や王道的に熱い展開。
子供はもちろん、大人も心から楽しめる、多くの人に読んでほしい作品です。
(続編希望です)(お待ちしてます)

★★★ Excellent!!!

哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類――
今、わたしたちの身近にいる動物たちが絶滅した世界。
動物たちは、異能者の能力・【スピリット】になっていた。

スピリットの能力を持つ者だけが入学することを許される学校【ガイア学園】。
その入学許可通知が、気弱なアルトのもとに届いた。
入学試験でもふしぎなことに、”出ているスピリットを見ることが出来ない”。
落ちこむアルトは、ガイア学園で無事、生活していくことが出来るのか?

さらに、不穏な謎の組織が、ガイア学園に忍び寄る――!

圧巻の霊獣バトルのシーンは、動物たちの特徴を生かした戦いで、とってもワクワクさせられます。
成長物語でもあり、気弱な主人公アルトくんが少しづつ強くなっていくたびに、「アルト!!」とこぶしを強く握りしめてしまいました。アルトって名前、叫びやすいです。

大好きなシーンは、ヤコとシドの無許可霊獣バトル。
本当に、スカッとします。
二人とも、いいキャラしてる……。

動物×学園×ファンタジー!
すべてをまるっとつめこんだお話です。
ぜひぜひ!