幕末に物語はたくさんあるし、ヒーローも多い。
そんな中、坂本龍馬暗殺第四の説を題材として選んだところがすごいと思います。主人公の生い立ちとか、そこに行き着くまでのドラマとかは書かれていないのだけれど、いろいろと想像するのも面白いし、作者が書いていないけど設定しているだろう膨らみを感じます。
短編の本作、シーンの切り取り方が絶妙だし、最後、題名に戻っているところとか、テクニックがニクイ。長編より短編の方が難しいと私は個人的に思うのですが、かなり右脳で構成を練っているなーとうなります。
長編で読みたい気もする「火花を刹那散らせ」は、あまりに綺麗に出来ているからそのままでいいのかもとも思うので、作風好きだっていうことだけ、最後に声を大にして言いたいです。