第122話

「私、好きじゃないとキスなんてできないよ……」



先輩は、そう言うと再び涙を流した。



「ごめん」


「なんで、謝るの?」


「わかんない。

 でも、ごめん……」


「彼方君は、悪くないよ……」


「でも……」


「コラ!謝るな!

 それ以上言うとキスするぞ!」

 

 

みさき先輩は、そう言って僕の頬に手を当てた。

だから、僕はキスをした。

なにが、『だから』かわからないけど……


僕は、無性にキスがしたくなったから……


だから、キスをした。


でも、僕は、キスが下手なんだと実感する。

みさき先輩は、舌を入れ僕の舌を誘導してくれる。

どうすればいいのか、わからない。


僕は、とろけるような気持で、みさき先輩とのキスを楽しんだ。

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