第120話
「え?」
「だったら、私!
目なんていらない!
見えないままでいい!
彼方君に嫌われるなら、私目が見えないままでいい!」
先輩は、そう言って僕の胸に飛び込んできた。
僕は、その体を受け止めた。
受け流す事も出来た。
だけど僕は、欲しかったんだ。
人のぬくもりが……
だけど僕は、欲しかったんだ。
みさき先輩の温もりが……
僕は、みさき先輩を抱きしめた。
みさき先輩は、僕の胸の中で泣き続けた。
ずっとずっと泣き続けた。
5時間目が、終わっても。
6時間目が、終わっても。
先輩は、僕の胸の中で泣き続けた。
「……先輩」
「なに?」
「僕は、先輩が好きだ……」
どうして、このタイミングで言うのだろう。
僕は、たぶん馬鹿なんだと思う。
空気が読めないのだと思う。
でも、今言いたかったんだ。
今、言わなければ後悔する気がしたから……
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