第68話

楽しい事なんて見つけれない。

嬉しい事なんてわかんない。

知っている事は、苦しみと痛みと憎しみ。

僕も、人間に生まれたかった。



僕は、大きなため息をつくと教室に戻った。

教室に戻ると、池宮君が声をかけてきた。



「よ!

 今日もラブラブだったな?」



なんの事だろう?

僕は、首を傾げた。



「抱きしめあってたじゃないか」



抱きしめあっていた?

あ……

あれ、見てたの?

宮池君、あれを見てたの?

僕は、みさき先輩の温もりを思い出した。

途端に僕の顔が、赤くなっていく……



「おいおい。

 顔が真っ赤だぜ?」



僕は、首を横に振った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る