第47話
何でそんな寂しそうな顔をするんだろう。
僕は、顔を歪ませてしまった。
「おいおい、そんな顔するなよ」
池宮君は、そう言って苦笑いを浮かべた。
「今日、知り合ったばっかの人」
僕は、勇気を振り絞って声を出した。
「そうなのか?
その割には、向こうさんは、お前にべったりじゃったじゃないか」
「目が見えないらしいよ……」
「あー
もしかして川崎みさきさんか?」
え?
どうして、池宮君、みさき先輩の事を知っているのだろう。
「『どうして、知っているんだ』って、顔をしているな」
僕は、うんうんと頷いた。
「川崎先輩は、有名なんだよ」
有名?
どんな風に有名なんだろう……?
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