第16話

そう言ってくれるのは、晶だけだ。

もしも晶が、実在していたら……


そんな事をついつい思ってしまう。

でも、実在したら俺の事を避けるんだろうな……



 「避けないわよ」



晶は、そう言って笑った。

いや顔は、見えないけど笑った気がする。



俺は、ゆっくりと空を見上げた。

雀が一羽飛んでいる。



アイツも仲間いないのかな?



そう思うと、僕も頑張らなくちゃなって思う。

あの雀は、小さい体なのに孤独に耐えているのだから……



俺は、パンを食べ終えると牛乳を一気に飲み干した。



俺は、視線を下に落とした。


クラスの女子がバレーボールで楽しそうに遊んでいる。

僕も、レックが無ければ、あんな風に遊べたのかな?


女子達が、ゆっくりと視線を上にあげた。


おっと、視線を元に戻そう。

あんまり見ていると、怖がられる……

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