17.人生
枯れた花葉の落ちていった渓流その遥かのシモ手で子供たちは水浴びのなか見上げて去る雲の浅い陰に切り取られた空間を横切るカラスをかぞえてあそんだ真夏の真昼をもう二十年も過去のほうに見やりながらまたこの河原にあのときにはいなかった女とふたりで来て指で示しながら当時を語った秋は二十年もの過去のほうへ流れ落ちる滝の音はあっという間に二十年を走りすぎて息子の車に揺られてまたこの川を見ている私は二十年の歳月のなかに妻と見てきた人や風景を思い起こして二十年のちにはまた息子が妻だけ連れてくるのを思って川の反射に目をしばたたいていた。
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