5章 生 活
┏━あらすじ━━
(1)人間関係
・現実世界は相対性の世界で、人間は、他の人間、動物、植物、自然環境などと相対して、さまざまな生活活動を行っている。
・人間関係は、神性を体験させてくれる最も大切な機会を与えてくれ、家庭、学校、会社、社会などさまざまな所に存在している。
・すべての人間関係が自分を創りあげる絶好の機会である。
・人間の出会いは、舞台で繰り広げられる演劇と似ている。
・様々な人間関係の中にあっても、自分自身の考え、体験、実感、感情を大切にする。
・他人の考えは尊重するが、自分の体験や実感は、それ以上に大切にする。
・他人の目ばかりを気にして、他人の好むような行動ばかりを取っていると、他人の人生を歩んでしまう。
・魂の世界では、自分と他人は全てがつながっている。したがって他人に与えることは、同時に自分に与えることにもなる。
・すべての人が、それぞれ神のメッセージを携えており、人間関係の中でそれを相互に与え合っている。すべての人間がメッセンジャーだ。
・人間は、神の宇宙創造の目的を実現していく、絶対的な価値ある存在であり、すべての人が、神にとって特別な存在だ。
・人生の意義は、「何をしたか」ではなく、神性のどの部分を体験したかにある。
・大変な時こそ助けてくれるのが真の友だちだ。
(2) 愛
・愛は無条件、無制限で、何も必要としない。
・ほとんどの人々が、愛と必要性を混同している。
・必要性とは、自分のものではない何かが自分の外に存在し、幸せになるにはそれが必要だということだ。
・誰かを愛し、同時に必要とすることはあっても、必要だから愛するということはない。必要だから愛するなら、それは相手を愛しているのではなく、相手が与えてくれるものを愛しているのである。
・何かを与えてくれようとくれまいと、相手自身を愛するなら、その時は本当に相手を愛しているといえる。何も必要としないなら本当の愛なのである。
・愛は、神の本質であり、神そのものである。
・完璧な愛とは、色彩でいうと完璧な白のようなものだ。白とは色がないことのように思えるが、白は存在するあらゆる色が合体したものなのである。
・それと同じように、愛とは、慈しみ、寛容、赦し、謙虚、信頼、忍耐、誠実などの感情に加えて、憎しみや怒り、情欲、嫉妬、羨望なども包含した、あらゆる感情の総和なのである。
・魂が完璧な愛を経験するには、それらのあらゆる感情を経験しなければならない。
(3)セックス
・キリスト教では、セックスは原罪を負った人間を繁殖する邪悪な行為で、生殖を意図する以外は、避けなければならないとする。
・『神との対話』では、セックスは、決して忌むべきものではなく、人生における生活体験のひとつであり、セックスを通して神性のどの部分を体験するかが大切なことだとする。
・セックスは自然の営みで、何ら恥ずべきものではない。
・セックスを恥ずべきものと説いたのは、宗教だ。
・その無邪気さ、美しさをこわさないように、心身ともの愛の表現として、セックスを楽しみなさい。
・セックスを楽しんでも、それにおぼれないようにしなさい。
・生殖を意図する以外にセックスをしてはいけないことはない。
・生殖のためだけにセックスをするというなら、今は、試験管内でも子供ができるようになっている。
・『神との対話』では、キリスト教では罪とされる「自慰」について、罪ではなく、自分を愛することの1つの表現だという。
・高位のマスター(師)が禁欲をするのは、もうそれは充分だからと、単純に手放しているだけ。
(4) ジェンダー(社会的文化的性別)
・神は宇宙創造において、男性優位として人間を創造はしていない。
・それぞれの性がそれぞれ特有の性質をもつのであって、どちらが優秀かということではない。
・男性優位の文化を造り上げたのは宗教である。
(5)善悪
・「善悪」は、物事の価値判断を表す言葉で、その有益性の有無を相対的に表したもの。物事の目的にかなった有益な考えや行為は「善」となり、その反対は「悪」となる。
・人間は長い歴史の中で、経験をもとに価値基準を構築してきた。中でも宗教は、その基準の構築に深くかかわっている。
・神が「善悪」の基準を押し付けるものではなく、人間が自由意思をもって何を善とし、何を悪とするかを観察している。
・人間は、物事の正邪、善悪を判断する行為によって、自分自身を表現し、定義付けているといえる。
(6)価値
・人間は、神性を体験しているという意味で、神にとって絶対的な価値を持っている。
・神は人間の行為に対して、善し悪しの価値判断はしない。もし価値判断をしたら、人間が自由意志で神性を体験するという、神の本来の創造目的を損なってしまう。
(7)自由〕
・人間の魂の成長には、自由が必須である。
・人間は自由意志によって無限にある神性を体験していく。
・他者による自由の制限は、他者の考え、経験にもとずく人生を生きることになる。
(8)宗教
・組織的宗教(一般宗教)に頼らず、自分の内なる霊性(魂)に目を向けなさい。人間の魂と神は通じているから、心の奥深いところにある魂で神を訪ねれば、神を見いだすことができる。
・組織的宗教には限界があり、今の世界を進歩させるだけの力が無い。
・全ての組織がそうであるように、宗教組織も存続することを目指して、いろいろな仕組みを編み出す。例えば、|キリスト教(カトリック)の司教・司祭(神父)などの位階制組織や、ミサ、献金、感謝祭や|キリスト降誕祭(クリスマス)などの宗教儀式がそれに当たる。
・儀式的な礼拝は、神は全く望んでいない。神は魂と一体であるので、内なる心の世界では、人間は常に神と通じている。ただ人間がそれを知らない、気付かないだけなのだ。
・すべての宗教は、神に至る道を、それぞれの方法で示している。その道は数限りなくあり、どれもそのうちの1つで、より優れた道というものはない。
・神は、マスター(師)を通して、宗教や芸術、科学を通して、自然を通して、そして本人の魂の叫びを通して、あらゆるツールを利用して、絶えず人間に語りかけている。
・自分を「救世主」とか「真の親」とか名乗る者からは、逃げなさい。真のマスター(師)は、自分を崇めよとはいわず、多くの人々をマスターに育てる者だ。
・金銭目的で、霊的な事象と接触したいという人々の思いを利用する者には、振りまわされてはならない。
・魂は、人生での仕事を完了して来世に行くときは、新たな出発に喜んで個体を離れる。死を悼(いた)む必要はないし、悼んでほしいとも魂は思わない。
・自己の実現に主要な関心をもつ発達段階、これは非常に危険な時期だ。身体にかかわることはどうでもいいと感じてしまう。
・不相応な高レベルの真理探究にいたずらに時間を費やすのは、神性を体験するという貴重な人生を、無駄にしてしまう。
(9)自己啓発
・今日のあなたは、昨日のあなたではない。過去のことにいつまでも執着しないで、手放し、新しく出発する。
・他人より優れようとするのではなく、過去の自分より優れようとしなさい。
・毎日起きる出来事に対して、自分はどんな「存在」でありたいかを考え、そのありたい自分になろうと努力する。
・失敗したとしても、自分はもうだめだとあきらめたり、無力感や罪悪感にひたる必要は全くない。
・根になる固定観念をいちばん速く変える方法は、「思考-言葉-行為」というプロセスを逆転させることだ。
・あなたの高いヴィジョンにそぐわない考えが浮かんだら、その場で「新しい考え」に変えなさい。
・他人を卑下する思いがわいた時、自分自身の中に巣くう劣等意識を見つめ直し、改めるべきだ。
・人間が目指すべき手本は、イエス・キリストに示されている。
・成長するには、なるべく自分より高い意識の人間と交わるべきだ。
・ある物事を選択するとき、全力をあげて心から選択し、それが現実になるまでは、気持ちをそらさないことだ。
・決意するときに考えるべきことはただひとつ、それが「わたし自身」を表現しているだろうか、ということだ。
・こんな目にあうのは「自分の責任だ」と思ったとき、はじめてその物事を変える一歩となる。
・他人に心から与えれば、自分も豊かになる。
・人生でほんとうに大切なのは力ではなく強さだ。
・決して希望を捨ててはいけない。
・仕事は神性を体験するためのツ-ルだ。仕事を選ぶ時に唯一考えるべきことは、「自分を表現できる仕事かどうか」ということだ。
・何事においても、やり過ぎてはいけない。
(10) 心身の健康
・タバコやアルコールは、身体の健康を害する。
・化学物質(人工生成物の農薬や抗生物質、防腐剤、食品添加物など)の入った食事を食べていると、知らないうちに身体は害されている。
・運動は身体にとって大切なもので、毎日、運動すべきだ。
・時々「瞑想」をして、自分の内側に入るべきだ。内側に入っていけば、自分の外側に何も必要でない自分を知ることができる。
(11)エゴ
・『神との対話』では、「魂-精神-身体」からなる人間のうち、「精神-身体」からなる部分を「エゴ」といい、「魂-精神-身体」からなる全体を、「真なる自分」と表現している。
・「エゴ」は、神性を体験するための不可欠なツール(道具)であり、大切にしなければならない。
・「エゴ」が大きくなり過ぎると、神性を体験しているという、本質的な目的が見えなくなってしまう。
(12)金銭
・お金は、人生を生きるためのツール(道具)の1つ。
・お金自体やお金を稼ぐことに正邪はなく、人間がそれをどう扱うかによって正邪が決まる。
・お金にまつわる多くの問題を解決する1つの方法は、お金の「見えない」という性質をなくすこと。
・金銭の授受がオープンにされれば、その不公正さ、不公平さが暴露され、社会の有り様に変革をもたらす。
(13)後悔と罪悪感
・「後悔」は、悔い改めてやり直そうという、成長にプラスとなる気づきを与えてくれる。
・「罪悪感」は、悪いことをおかした自分はダメな人間だという、自分を否定するマイナス的な思いで、自分の成長にプラスにならない。
・「罪悪感」を持つ必要は全く無い。
・良いことでも悪いことでも、過去のことは手放し、さらなる成長に向けて、新たな一歩を踏み出しなさい。
・岐路に立ったとき、「これがわたしか?」「愛なら、いまどうするか?」と自問自答すれば、成長は速まる。
・いつか悪いことをおかした状況と同じような出来事が、人生に用意される。その時、自分の思い描く最高のビジョン、最大バージョンで考え、行動する。
(14)羨望と嫉妬
・「羨望」は、さらに向上しようという動機づけとして働く。
・「嫉妬」は、ベースに不安があり、自分や他人の成長を妨げる。
・「羨望」は成長に好ましい感情だが、「嫉妬」は人を殺してしまう。
・小児期に、「羨望」が親に否定され続けると、「嫉妬」に変質してしまう。
・不安は愛と対極をなす感情で、これらがアクセルとブレーキのように協調的に働いて、人間は生活している。
・現代社会では、感情が不安に偏り過ぎている。
・教育や社会のあり方を、愛を基本としたものにすべきだ。
(15)自殺と安楽死〕
・一般的宗教では、「自殺」は禁止されている。
・『神との対話』では、「自殺者は神に罰せられることはない」という。早く寿命を縮めること(自殺)はダメで、ゆっくり(タバコなど)なら良いというのは筋が通らない。
・自殺自体に問題がないわけでは無い。
・人生の課題を完了せずにのがれたとしても、再び物質的世界の、のがれようとした状況に戻ってきて、また一からやり直すことになる。
・死ぬ時、個体の意識状態は、そのまま霊的世界に持っていく。自殺するほどの悲惨な心理状態を反映する世界は、地獄のような世界である。
・苦境に立たされた時、「抵抗しないで見つめなさい」と『神との対話』はいう。
・日頃から自分の感じている思いを、心の中にためないで外に出す。
・安楽死を自殺と同じと見なすことはできない。
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