8) 「利用と協力」の経済

┌----------

 もはや経済の目的は、利益を生み出すことではなくなる。


ニール:それじゃ、何が目的になるんですか?


 富を生み出すこと。


 あなたがたは人びとや場所やものを所有し、力をふるうことが資産だと━あるいはあなたがたが「富」と呼ぶものの一部だと━考えた。


 「新しい霊性」の時代には、富とは所有と力ではなくて、アクセスと幸福だと定義されるだろう。


 つまり、生命/人生のさまざまなものを所有するのではなく、利用するということを話しているのだよ。


 「所有と権力」の経済から、「利用と協力」の経済に移行することだ。


 誰もが自分で掃除機をもつ必要はない。ただ、掃除機を使うことができればいい。


 近所に住んでいる4家族がひとつの掃除機をみんなで使おうと決めたら、どうなるだろう?


 《明日の神P314》(一部略)

└----------


 新しい経済モデルの7として、「これからの経済の目的は、利益を生み出すことではなく、富を生み出すことだ」といっています。


 現代の人々は、場所や物を所有することが富だと考えています。


 しかし新しい考えでは、富とは所有することではなく、アクセスつまりみんなが利用可能であることだというのです。


 さまざまなものを、人々が所有するのではなく、利用することが、富に通じるというのです。


 それを電気掃除機や電気洗濯機を例にして、説明しています。


 電気掃除機や電気洗濯機を所有しているのは、世界人口の1/3の人々です。2/3の人々は貧しいために、それらを所有することはできていません。


 しかしよく考えてみると、掃除機や洗濯機は各家庭で1日1回か2回使えば、後の時間は眠っています。


 1日1回か2回しか使わない道具を、全ての家庭で持つ必要が果たしてあるのかと問題提起しているのです。


 4つあるいはそれ以上の家庭でそれらのものを共用すれば、必要な掃除機や洗濯機は今でも世界に十分にあるというのです。


 この考えは、最近注目されているカーシェアリング※やオフィスシェアリングで代表される、「シェアリング」という考え方です。


 経済モデルやシステムを、「所有と権力」の経済から「利用と協力」の経済に移行することだといっているのです。


※ カーシェアリング(英: carsharing)とは、一般に登録を行った会員間で特定の自動車を共同使用するサービスないしはシステムのこと。(出典:Wikipedia)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る