第135話 お骨

 火葬場に戻って、骨になった母に会う。

 あまり骨は形は残っていなかった。祖母や夫のお父さんなど今までにお骨を拾う事に参加した事は数回あるが、こんなにも骨は無いというか分からないものなのだろうかと思うほどだった。


 義父が母の骨の状態を質問したが、足以外は特に脆かったというわけでも無さそうだ。


 年配の人でもギョッとなるほど、骨が丈夫で残ってる人もいると聞く。

 だから母もそうだったら、義父が大丈夫だろうかと心配していたが杞憂だったようだ。


 小さな骨壷だし、本当に簡易的に私たちで交代で箸でつかんで収めた。


 この箸なんだけど当たり前なのかもしれないけど、火葬場が用意するものじゃなくて葬儀社が用意するものなんだね。


 葬儀社を出る時に、色々と入っている袋を係りの人に渡された。

 それは結構な大きな袋でふた袋あり、遺影や仏壇などに置く道具などと一緒にその箸も入っていた。


 火葬場の係りの人に言われるまで、その事もよく分かっていなかった。


 ところで今回、義父は喪主で私は代表と呼ばれた。

 うちは少ないから代表と言われたら「あ、私か」とすぐ分かるが、家族が多いところは誰ってなるのかもね。長男なの?それとも歳が上ならお姉さんなの?とかね。



 というわけで色々勉強になった今回の、母を送るのはこれで一通り終わった。


 終わったは終わった。けれど、これからがまだまだ大変なのだと思う。


 各種手続きはもちろん、義父の精神的フォローをしていかないといけない。


 私がお金がたくさんあって、仕事もしていないのだったらいくでも岐阜にいてフォローすれば良いのだろう。


 けれどお金も無いし、仕事だってある。

 住んでいる場所が離れているから、ちょっと様子を見に行くというわけにはいかない。


 義父は足腰はしっかりしているし、料理以外の家事はここ数年、母に代わってやってきたのでそういった事は問題ない。


 それでも精神面はとても注意しなければいけない。

 見るからに落ち込んでいると誰でも分かる状態で無いからこそ、「大丈夫そうだ」と思ってしまいがちだから。



 母が倒れてからの『出来事』としては主なところではこんな感じだが、次は精神的な事を書いてみたいと思う。


 ※ちなみにこの出来事はここ2週間ほど前の事です。

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