第2話
家に帰り、久しぶりに家でテキストとペンケースを出してみた。僕のペンケースは小さな雑貨屋で見つけた青いピクトグラムのような人型のペンケースだ。中学の頃からの相棒だ。そこそこ気に入っている。そのペンケース、さっき出したはずのペンケースが、ない。ふと窓のほうに目をやると、なにやら青いものがある。そのペンケースだ。「君は僕を必要としていないんだろ。僕は今からここから飛び降りる」
喋った。多分。しかも窓から飛び降り自殺を試みている。状況がいまいち飲み込めていない。
「早まるなよ」
僕はそいつを掴んで机の上に置いた。
「お前、なんで喋ってんだよ」
「喋れるから喋ってるんだよ」
「へぇ、すごいな。でもどうせこんなファンタジーな事が起こるならもっとなんていうか、タイムスリップできるとかこことは違う世界に連れて行ってくれるとかがよかった」
「悪かったな、勉強するんじゃなかったのか」
「お前が喋らなかったらやるつもりだったよ」
夢を持つ人 モレオン @moreon0145
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。夢を持つ人の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます