本編はこちら↓

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886651486



【感想】



 あーーーーー好きです!

 唐突ですが、私は先日友人に「純文学に向いてない」みたいなことを言われた読み取り能力の駄目駄目な人間なんですね。主人公が暗い気持ちになっていることを曇り空が表しているとか言われても全然意味分からないんです。天気が主人公の気持ちに左右される意味が分からない。


 話が逸れましたが、この話はどちらかというとそういう純文学というか、何かを表したい小説だと思います。その何かが私みたいな純文学に向いてない人間にも分かりやすい。

 小説関係だから分かりやすいっていうのもあるんでしょうけど、分かりやすいことは良いことだと思います。少なくとも私は。


 少年の気持ちも男の気持ちも分かるんですよね。特に男の人のほうの気持ちは、小説を書いている人なら誰でも少しは感じるものだと思います。やっぱり誰かに見てもらいたいし、誰かに評価されたいし。

 少年は屈託のないところがいいですよね。純粋で男の「行為」自体を褒めてくれるような心の持ち主。そういう人っていろんな人の心を救えると思います。本人は気づいていないことが多いですが。


 作者様は沈黙や間の取り方が上手いなあと感じます。読者に一息つかせてくれるというか、起こった出来事を飲み込む猶予を与えてくれる。たとえば、「彼は、ふっ、と表情を崩して」の部分。なんとなく間があくというか、余韻が残りますよね。素敵です。

 そのとき少年は、男は、何を思ったのか、何をしたかったのか、どうなりたかったのか。答えが出なくとも、読者は一度考えると思います。その考える時間が好きになります。


 小説を書いている人って何かしら救われたいんじゃないのかなって思います。そういう人を、もしくは自分を救える小説が私は書きたくて、だから多分こういうの大好きなんですよね。



【アドバイス】


 全体的にはとても素敵ですし、誤字脱字も見た感じないし、小説のルールをきちんと守ってて読みやすかったです。


 ただ、「~だった」みたいな文が多いかなと思いました。情景描写のときは大体これで終わってる気がします。違和感があまりなかったのでこのままでもいいと思いますが、読む人によっては箇条書きのように見えてしまうかもしれません。


 それから中身ですが、男の人の言葉が少し惜しいと感じてしまいました。「うん。こいつらは、そうだな、夢の残り滓だよ」という一文で始まるセリフです。残り滓という表現はぐっとくるのですが、その後普段だとあまり使わない言葉が並んでいますよね。「輝かせる」や「煌めき」、「明日からの僕を照らしてくれる」などなど、日常会話ではシリアスなシーンにはあまり使いません。

 個人的には「明日からの僕を照らしてくれる」の表現が違和感です。もちろん普段から使わないのもそうなのですが、最後あたり、少年の言葉で男が希望を持つシーンを際立たせるためには、男はあまり期待や希望を持っていないほうがいい気がします。まあ完全に個人的な希望ですが。


 あとはほとんどないのですが、男の別れ間際のセリフが地の文に組み込まれているのは会話文として独立させてもいいと思います。「時間は、あると思ってるうちに消えていくから」という表現がとても素敵で、もしかして作者様は一番これを伝えたかったのかなと思いました。違ったならすみませんが、もしそうでしたらぜひ会話文にしてみてほしいなあと。

 欲を言いますと、「いいかい、種を見つけるんだ」だけを切り離して書いて、その後に少年の反応を地の文で表現すると深みが出るのかなという気もします。



 完全に言い過ぎなので話半分くらいで聞いてください。これ書いてると、私ならこうする、みたいな文がどんどん増えていくのは私の悪い癖ですね。

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