第51話~迷いの森再び!?
崖の壁の向こう側も、探求者の人達に踏み荒らされていました。背丈の高い草もペッシャンコです。
「東に向かった人が多いみたいだね」
「うん」
遠くを見れば、東側に近くに山があります。迷宮を探すならそっちなのかも。
一応板の地図をユージさんが持って、地図作製しながら進んでいるのですが、別に製作する場所指定がないので、逆にどっち行こうか迷っています。
「僕達は、崖の壁伝いに西に進んでみようか?」
「うん」
多分、私達みたいな方向に進む人もいないだろうし、人に合わずに進みたいのでいいかもしれません。
すぐに深い森になり、見えていた崖のてっぺんも覆われた木で見えなくなりました。人が歩いた気配もありません。こっち側には来てないみたいです。
「やっぱり皆、迷宮探しに向かったみたいだね」
「うん」
地図を製作しようとした人は、ほとんどいないみたい。
「うーん……」
ユージさんが唸りながら止まりました。
どうしたんだろう?
「ここもどうやら迷いの森らしい……」
「え!?」
迷いの森って! じゃ、ここにも精霊が……。
「と言っても今度は、閉じ込められたっぽい」
「閉じ込められたって?」
「外に出れないって事!」
「え? なんで?!」
「さあ? ここから出したくないって事何だろうけど……。理由までは……」
そう二人で話していると、何か聞いた事がない音が聞こえて来た。それも森の奥から……。
この森は、木の背丈が高く、その木に蔦が張り、伸びた蔦がずっと上の方で絡み合っている。まるで、網のようにです!
いやさっき、ユージさんが閉じ込められたって言ったので、そう感じるのかもしれませんけど……。
その森の奥から、バッサバッサっと聞こえるのです!
「助けて~」
うん? 今、助けてって聞こえた?
「今、何か聞こえた?」
ユージさんにも聞こえたらしく、私達は顔を見合わせる。
遠くを見ると、何か動く物体がこちらに向かってきます!
「な、何!?」
私はユージさんに、しがみつく。
「プ、プレイヤーぽい?」
よく見れば人です! 必死に二人が走っています。そして、音の正体がわかりました! 鳥です! 大きな鳥! 胴体は私いえ、大人の人と同じぐらい大きい。翼を広げれば凄く大きい!
そんな鳥に二人は追いかけられていたのです!
「ちょ……何あれ! やばいこっち来る!」
「も、もしかして、魔物!?」
壁の向こう側にはいたの!?
「わかんないけど、逃げよう!!」
そう言うとユージさんは私を抱き上げ、全力疾走です!
私は後ろ向きに抱っこされているので、逃げている人たちが見えるのですが、私達の跡をついてきます!
「た、助けて!!」
「キュイー!!」
鳥が鳴きました! たぶん私達を見つけたんだと思う!!
「え! うわ~!」
って、いきなりがっくんとなった! 視界が上向きに! って!!
ユージさんは、伏せたみたいです。上向きになった途端、視界はユージさんの体で遮られました。
一瞬大きな鳥が見えました! タカの様な鳥です! もう一羽現れたのです!!
「うわー!」
ユージさんが叫ぶと、フッと体が地面から浮きました! 見えないけど明らかに浮いています! しかも凄い風とバッサバッサという音が聞こえます!
確認しなくてもわかる。鳥にユージさんが捕まり、私達はどこかに連れて行かれているのです!
あり得ないんですけど~!!
顔だけちょっと横に向けると、風景が見えました! って、見なかった方がよかったです!
森の中を凄いスピードで移動していました! 木の背丈が高いので、それなりに高い! 落とされれば私は死亡間違いありません!!
鳥は器用に木の合間を縫って飛んでいます。
後ろからぎゃーぎゃー聞こえるので、ちらっと見れば、先ほど逃げていた人たちも捕まって、飛んでいました。
向こうは、片足に一人ずつ背中を鷲掴みにされています!
なんで私達は、こんな目にあっているのでしょうか!?
急に明るくなったと思ったら、森の中から出たようです!
そして急上昇! ユージさんが私を掴む手に力が入ったのがわかります。落とさない様にギュッと……。
「マジか……」
そうユージさんが呟きました。
その呟きの意味が直ぐにわかりました。下ろされた場所は、山の頂上でここら辺は、逆にほとんど木がなく、ごつごつした岩ばかり。
そこに大きな木が一本あって、私達はそこの枝に降ろされたのでした!!
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