緋姫 〜天羽月舟伝〜

作者 潮風凛

人の優しさに溢れた絵巻物

  • ★★ Very Good!!

自然の風景から建物、着物、文化、そして伝承と信仰、物語の舞台の全てが平安時代の日本のイメージで描かれており、絵巻物を眺めているようでした。

主人公を巡る前世からの宿命や縁がドラマチックで、それらに時には抗い、時には助けられ、自分の道を模索する姿は清々しく、明るく前向きな気持ちになれました。

主人公の側で支え守る少年の優しさや強さも丁寧に描かれていました。そして、二人の初々しい恋も微笑ましかったです。

詠姫と真幌月にまつわる伝承が物語の軸となっているのですが、神話や伝承が長い年月をかけて変わってゆき、それが新たな信仰を生み出すことが、リアリティーがり、恐ろしかったです。

ですが、その過ちを正しい、誰もが笑って暮らせる世を目指して主人公が奔走し、初めは争っていた人々もてを取り合う結末は、人の心の暖かさを表しているように感じます。

王道の和風ファンタジーであり、語り継がれたお伽噺のような幸せな結末で、笑顔で読み終わりました。

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その他のおすすめレビュー

★★★ Excellent!!!

和の色にあふれた繊細な筆致と、丁寧に織りあげられた世界観が魅力の、和風異世界ファンタジー。主従ものが好きな方も必読です。

詠姫と呼ばれる優しい少女と、彼女を守る付き人の少年。彼らが仕える場所で起き… 続きを読む

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