僕らは…14

そして文化祭当日、俺と紅蓮は文化祭を一緒に回ることになった。

生徒会は校内の見回り、というの口実として紅蓮は俺と回ることを許してくれた。


クラスのシフトは生徒会の見回りや文化祭まで準備を人よりも頑張ったと気を使ってくれたクラスメイトが抜いてくれた。

これで心おきなく紅蓮と文化祭を楽しめる。


「じゃあ、まずは朝飯からだな。紅蓮、行くぞ」


「そんなに急がなくても、ご飯は逃げないよ、冬夜」


「わかってるっての」


好きな奴と文化祭を回れるだけでも嬉しいんだよ。って、紅蓮には伝わっていないようだ。ただ、紅蓮もいつもより表情が柔らかかったので、それなりには文化祭を楽しみにしていたようだ……良かった。


俺と紅蓮は朝飯を食べてからは甘い物などを食べたり、展示を見て回ったりした。

クレープが食いにくい、写真部が撮った猫が可愛い、天文部より紅蓮、お前のほうが星座に詳しいななどと会話をした。


あっという間に一日は終わり、文化祭は終了した。

俺と紅蓮はシフトを抜かしてくれたクラスメイトにお礼ということで、クラスの片付けを二人ですると言って、片付けが終わるまで学校に残ることとなった。


あたりも暗くなり、本格的な片付けは明日ということで、ほとんどの生徒は帰路へ帰って行った。


「紅蓮。腹減っただろ? チョコレート、食うか?」


「ん、食べる。ありがと、冬夜」


「気にしなくていいぜ」


俺は紅蓮に紙つづみに入ったチョコレートをあげた。


「冬夜、もう一つチョコレートが欲しい」


「紅蓮、急にどうしたんだ? お前、そんなにチョコレート好きだったか?」


文化祭の片付けが人段落した頃に、紅蓮は俺にチョコレートを欲しいと言いだしてきた。


紅蓮の頬は微かだが、蒸気している気がした。

普段よりも声も高く、頬も赤く、なんだかお酒に酔った人のようになっていた。


「まさか……」


俺は2つ目のチョコレートを渡す前にチョコレートの箱の表記を見た。

そこには原料にブランデーと表記されていた。


「チョコレートボンボンで酔ったっていうのか……?」



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