源三郎江戸日記(弟四部)100 石の関でせき止めるのは本当ですが、底をさらい深くするのは嘘です、それは不可能なのです、石の関ですから完全にせき止められませんが、木曽川に流れ込むのはわず


源三郎江戸日記(弟四部)100


石の関でせき止めるのは本当ですが、底をさらい深くするのは嘘です、それは不可能なのです、石の関ですから完全にせき止められませんが、木曽川に流れ込むのはわずかですので関止、

めたのと同じになり、長良川、揖斐川の水位が上がりますので輪中は作らねばなりませぬ、みんなにはあくまでも新田開発をすると言うてくだされ、したがって幕府からの2万5000両は、

とりあえずは貰わないでくだされ、


その代わりわたしが巡察で没収した4万両を差し上げます、この金寸6万5千両で新田開発をやります、村の者が希望すれば一日2朱を給金としますので、沢山集まるでしょう、それとは、

別に人足を集めて一気に仕上げます、出来たところで水害を防ぐ為だとして輪中の工事に入ります、倍に水田が増えているのでだれも文句は言わないはずです、折角の新田が流失する、

のは勿体無いと思うはずです、


幕府は薩摩の財力をそぐ為に薩摩には治水の専門家は雇てはならぬと言うているそうです、わたしが巡察に出掛けている間に新井が上申したのでしょう、老中3人が賛成すればわたしも、

従うしかありませぬ、しかし木曽川以外は問題ありませぬ、ここに控えている富蔵は治水の専門家です、この者と配下20人が監督となり一気にしあげます、玄海屋にお任せくだされと、

言うと、


なる程みんなを騙して一気にし上げて文句がでないように新田開発する訳じあな、これも兵法の一つじあなと言うので、冬の陣が終わった時大阪城の堀をことごとく埋められ家康公の、

真似で御座いますと言うと、そうであったな、それで大阪城を丸裸にして夏の陣で豊臣は滅んだのであったな、この事は継友様の胸の内にしまってくだされ、先程の話を重臣にお話、

くだされば、


流域の領民は安心しますと言うと、承知した、しかしなぜそこまでわが藩に、してくれるのじあと言うので、この工事で藩同士がいがみ合えば世の乱れに繋がります、ここは穏やかに、

処理しなければならないのです、それがわたしの役目ですと言うと、総て承知した金はさっそく玄海屋に届けるぞと言うので、宜しくお願いします、城下の巡察もついでにやり、不正、

を働いている者からは金寸を没収しますと言うと、


好きにやるが良い、藩の者がからんでおれば、仕置きはそなたに任すぞと、朱印状を渡すので受取ったのです、城を下がり玄海屋の出店に行き、尾張藩から2万5千両、船に4万両つんで、

おる、これを蔵に納め、富蔵が言う分をわたせ、これは長良川、揖斐川の流域の新田開発資金じあ、わざと、みんなら漏らせと言うと、いいのですかと言うので、漏れた方がやり易い、

のじあよ、


木曽川の治水とは、なんら係わり無いというと、承知しました玄海屋が、尾張様の新田開発を請けおった、と宣伝しますと言うので、頼むぞと言うと富蔵をつれて居酒屋に入ったのです、

富蔵がさすがの奇策ですと言うので、間部と新井の奴が邪魔しなければ良いがと酒を飲み干したのです、飛猿が戻って来て、黒いネズミがいますよ、尾張屋と飛騨屋です、藩の蔵米を、

郡奉行とつるんで横流ししています、


裏には弟君の宗春様がからんでいるようです、宗春様は今江戸にいるそうで、吉原に入り浸りだそうですと言って、毎年尾張屋1万両、飛騨屋1万両を横流しして折半しています、尾張屋、

が蔵には6万両、飛騨屋が4万両あります、これが賂の書付です、郡奉行の屋敷の蔵には1万8000両があります、宗春様の屋敷の蔵には2000両はありますが、これは賂ではないと思います、

郡奉行に預けているのでしょう、


町奉行は多少の賂月に100両を貰っているようです、書付はないので城下の商人らが寄進しているのだと思います、奉行所の蔵には1千2百両がありますと言うので、わかった後は山形達、

じあなと言うと、博打場も探りましたがイカサマはやっていません、城下には多くの女郎屋がありますが、吉原と同じに会所の頭取がにらみをきかしているので、ひどい事はやっていな、

いようです、


他にもお茶屋に女郎や夜鷹はいるそうですが、実態はわかりません、ヤシの元締めは沢山います、たまには縄張り争いはあるそうですが、無体なショバ代は取っていないそうですと言った、

のです、山形達が帰って来て、飛猿が言うたとおりでしたと言うので、さすがわ御三家の城下町じあな悪者は豪商と言う事かと言うと、宗春様が絡んでいるとなると面倒ですねと山形が言、

うので、遊び好きな人じあからな、


お灸をすえるのに丁度良いのじあよ、いくら御三家の弟君といえどやりすぎは懲らしめねばならぬ、行くぞと言うと奉行所に行き町奉行はいるかと聞くと、町奉行の青木丹波に御座います、

と言うので、尾張公より頼まれて不正を探っておる、尾張屋と飛騨屋は郡奉行とつるみ、蔵米を年に2万両分も横流ししておると、賂の書付をみせて、2人を捕縛して、郡奉行共々つれて、

まいれ、


命令に従わねば斬首するぞと言うと、承知しましたと取り方と出て行ったのです、暫くして三人が来たので、白州に座らせると、こんな事をして無事に尾張藩から出れると思うのかと、

郡奉行が言うので、背後には宗春がいるから大丈夫と思うているのじあろう、バカメ、御三家といえど治世不行き届きでのお咎めはまぬがれぬ、証拠の書付じあ、わしは藩士と言えど、

自由に仕置きして良いと、


尾張公から朱印状を貰っているのじあと見せると、申し訳御座りませぬ、これはそれがし一存でやった事にて宗春様には何の係わりもありませぬと言うので、そういう事にしてやろう、

さて尾張屋と飛騨屋不正の段許すわけには行かぬ、財産没収の上斬首じあと言うと、なにとぞ命だけはお助けくだされ、二度と不正はやりませぬと言うので、不正に儲けた金寸は全部、

差し出すかと言うと、


差出ますと言うので、いくら蔵に入っているか調べはついている、素直に差し出すなら1万両は残してやる後は総てもって来いと言うと、二人は金寸を取りに帰ったのです、さて郡奉行、

藩が水害で4万石も失っているのに何と言う事をするのじあ、今回は目を瞑ってやるが二度はないぞ、そなたの屋敷の蔵にある1万8000両は総て没収する、奉行ここに運んできなされと、

言って、


郡奉行素直に渡すのじあと言うと、ハハハッと言うと取りに行ったのです、尾張屋が5万両、飛騨屋が3万両、郡奉行の屋敷から1万8千両を持ってきたので、それでは今回に限り目を瞑る、

解放するので帰るが良い、郡奉行宗春殿にわしが没収した、いい加減に遊興はやめなされ、不服あらばいつでもお相手すると伝えよと言うと、承知しましたと全員奉行所を出て行ったの、

です、


ここに9万8千両ある尾張藩に3万8千両を下げ渡す金蔵に運び込むのじあ、藩財政立て直しに使いなされとわしが言うていたと尾張公に伝えなされ、残りの4万両は今回の長良川、揖斐川、

流域の新田開発に使うので玄海屋、後の2万両はわしが没収するので船に運び込むのじあと言ったのです、町奉行の賂は寄進として受取るが良い、便宜は計ってはならぬ、蔵の金はその、

ままにしてやると言うと、


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