源三郎江戸日記(弟四部)93 翌日は船に乗り一路高松に向ったのです、夕方には高松に着き上陸して旅籠に草鞋を脱いだのです、ここは松平頼常12万石の城下であり、水戸黄門公の嫡子が養子になっ


源三郎江戸日記(弟四部)93


翌日は船に乗り一路高松に向ったのです、夕方には高松に着き上陸して旅籠に草鞋を脱いだのです、ここは松平頼常12万石の城下であり、水戸黄門公の嫡子が養子になっておる、光圀様、

は次男なのに水戸藩をおつぎになったので、兄の嫡子を次の藩主にして自分の嫡子は養子にだされて、筋目をただされたのじあが、養子なので、一門を押さえるのに、苦労されていると、

聞く、


黒いネズミがいるやもしれぬ、巡察頼むぞと言うと、ハイと言うと、みんな出掛けていったのです、女将に城下の様子を聞くと今の殿様は水戸から、養子に来られたので先代の嫡子は跡、

を継げなかったのだそうです、一門の反発が激しいので、跡継ぎを先代の嫡子の子供をと言われたら、こんどは今の殿の嫡子を跡継ぎにしないのはおかしいと、藩が二つに割れている、

そうですと言うので、


跡継ぎでは何処も揉めるのじあな、仕方ない2人を呼んで聞いてみるかと言って、飛猿この文を2人に届けてここにお忍びで来るように言うてくれと言うと、承知と言って文を持ち旅籠、

を出たのです、暫くして2人が部屋にはいてきたので、座らせて、諸国巡察視の村上源三郎でござるが、世継で藩が二つに割れていると聞く、このまま行けばお家騒動として幕府からの、

お咎めは免れない、


そなた達はどうなんだと聞くと、頼豊が父上は頼正殿、と言われているのです、家来が口を挟む事ではありませぬと言うと、頼正が殿の嫡子は頼豊殿に御座る、世継ぎは頼豊殿でないと、

おかしいのですよ、それがしは藩主の座等欲しくありませぬと言ったのです、正室には子はおらぬのかと聞くと、ハイ、おりませぬ、私はの母は城下の商家の出に御座いますと頼正が言、

ったのです、


わしが口を出す事ではないが、これは困ったなと言うと、筋目を通さねば次の代でももめまする、ここは殿の嫡子である頼豊殿でないとならぬのです、それがしは他家に養子に行きます、

ご心配なされますなと頼正が言ったのです、2人の気持は良くわかった、まずは一献と酌をすて杯を重ねたのです、何とか上手くまとまるようにしょう、どちらが藩主になっても恨み言、

はなしですぞと言うと、


承知しましたなにとぞ宜しく願いますと言うと、2人は帰っていったのです、飛猿が入って来て頼豊殿は主席家老、頼正殿は次席家老が推挙しているそうで、2人とも一門だですと言っ、

たのです、才蔵と手分けして両家老を調べてくれ、くれぐれも気をつけろよと言うと、承知と言って部屋を出て行ったのです、城下の巡察の結果特に悪人はいなかったのです、飛猿が、

戻って来て、


藩士共はいがみ合っているようですが、街中では騒ぎは起こしていないそうです、両家老とも大きな不正はしていないようです、主席家老が懇意にしている高松屋、次席家老が懇意に、

している讃岐屋ともあこぎな商売はしていないそうですと言うので、そうか、それでは明日城に登り頼常殿に会ってこようと言ったのです、城下の噂によりますと高松領も去年は、

干ばつに見回られたそうです、


蔵米を放出されて餓死者は出ていないそうですが、財政は厳しいようですと言ったのです、それではこの文を主席家老に届けて、郡奉行とここに来るように言ってくれと言うと承知と、

言って旅籠を出て行ったのです、暫くして部屋に2人の武士が入って来て、高松藩主席家老白根玄場にござる、同じく郡奉行加藤馬之助にございますと挨拶するので、村上源三郎に、

御座る、


お呼びだてして申し訳ないと言うと、何か不都合な事でもと聞くので、いや、巡察の結果は問題ござらぬ、去年の干ばつで藩財政は逼迫しておると聞きましたので、干ばつ対策を指南、

しょうと思うたのでござる、一番ひどかった場所に明日案内して貰いたいのじあがと言うと、白根が、馬之助適任者はおるかと聞くと、郡方組頭の須藤佐門の受け持ち区域です、明日、

案内させましょう、


治水も詳しい者に御座いますと言うので、それは助かりますと言うと、我が藩には治水をやる余力はござらぬのですと言うので、費用は幕府が出します心配いりませぬと言ったのです、

そのような事は始めてですがと言うので、お亡くなりになった光圀様には生前大変お世話になっています、そのお礼で御座る気になさらずとも良いと言うと、そうですかご老公と親し、

かったのですかと聞くので、


御隠居所にも尋ねていきましたよと言うと、それがしも江戸でなんども会うています、豪快な方だったですなと懐かしそうに言ったのです、何もありませぬがと言って膳を用意して貰、

い、杯を重ねたのです、暫く歓談するとそれでは失礼しますと二人は帰っていったのです、翌日は須藤が迎えにきたので、ご苦労で御座ると言って、馬に乗り後をついて行ったのです、


須藤が後一里の村です、ため池が空になり1000石が枯れてしまいました、もう一つのため池は大きかったので何とか水は供給できたのです、2000石中1000石が駄目になり、半分の収穫、

になってしまったのです、池を大きくするにも金がありませんと言うので、それは気の毒にと言ったのです、程なく着き庄屋の家によると、庄屋の得衛門にございます、巡察ご苦労様、

に御座いますと挨拶したので、


須藤がご老中の村上源三郎様じあため池まで案内せよと言うと、承知しましたと言うので、大工はいないかと聞くと、今物置を治してもらっています、春蔵と言う大工が町から来ていま、

すと言って連れて来たので、一緒に連れて行くぞと言うと、ヘイ、と返事したので、ため池まで行ったのです、なる程あちらの池の方が大きいのですな、あれでギリギリだったのかと言、

って、


それではそこの横にもう一つため池を作りましょう、大きさはこの倍とする、地中を2間の深さを掘り、その土を堤とするぞと池の構造と水路の構造、水車による潅漑の仕方を話すと、

なる程、それなら金はかかりませんなと言うので、賦役ではなく普請として村人に一日2朱を払う事とする、金寸は城下に帰り1万両を須藤に下げ渡す、池は爆破して穴をあける、


山形やってくれと言うと、爆破して穴を作り、この土を堤につかえば良いと言うと、これは凄いです、これなら半月で出来ます、費用は1000両もかかりませんと言うので、干ばつ防止、

のため池を優先して作り、新田開発もやりなされ来年は2万石増えて、干ばつがなくなり3割りは増収がみこめるぞと言うと、ハイ、これは凄いですと言うので、火薬の調合は山形が、

指南すると言ったのです、


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