第2話自己紹介ですっ!
「どうも盟友(クラスメイト)の諸君!!私の名前は山田太郎。しかしそれは世を忍ぶ仮の名前。我が真名は“悠久なる闇(エターナルファントム)”なり!!普段は中学生として力を隠しているが、この世界は我が力“完璧な能力(パーフェクトパワー)”によって守られているのだ盟友諸君!!」
悠久なる闇(エターナルファントム)と名乗った山田さんは明らかに自分が超能力者だと自分から名乗っていました。しかも世界を守っているという言葉を聞くに私の超能力よりもずっと強力みたいです。
山田さんは他にも色々と喋っていますが、自分以外の超能力者現れた!!と初めての経験に、頭の中はそればかりを考えて山田さんが何を話しているのか全く聞こえません。
その後の自己紹介は山田さんが何か超能力を使ったのか、先ほどまでの少しの緊張と希望に満ちた教室の雰囲気から一気にクラスは静まりかえり、みんな淡々と自己紹介を済ませています。
こんな雰囲気ではもっと話すのがつらいです・・・
そんな中ある一人の女の子の自己紹介がまた空気をがらりと変えたのです。
「こんにちは!長内咲良(おさないさくら)です!花咲くの咲くに、良いと書いて咲良と読みます!小学校にいたときからバスケをやっていて、中学校でもバスケをやる予定です!みんなよろしくね!」
長内さんは肌が白くて、女の子の私から見てもかわいい顔です。顔は小さくてぱっちりした目をしていて、身長は150cmぐらいありそうです。髪はスポーツをやっているためでしょうかショートで、それが彼女にすごく似合ってます。
なにより彼女はすごく元気が良くて、みんなにもその元気が伝染していくのかのようにクラスの雰囲気も明るくなりました。
長内さんか・・・長内さんとなら友達になれるかな・・・優しそうだし。
でも私みたいに暗い子はダメかな・・・長内さんも迷惑に感じちゃうよね。
なんだか憂鬱な気持ちになってしまいました。そろそろ私の番が来ます・・・
昨日から一晩かけて考えた自己紹介をしっかりできれば友達だって出来るはず・・・!
しっかりして私!!
~山田太郎視点~
「は、初めまして。私の名前は、さ、笹森結衣(ささもりゆい)です。緑が丘小学校から来ました!みなさんと仲良くなれたらすごくうれしいですっ!よ、よろしくお願いします!」
そう言って顔を真っ赤にしながら丁寧にお辞儀をしている笹森という少女の第一印象はハッキリと言って“記憶にない”だった。印象に残っていないのに第一印象という言葉を使うのは不適切か。では自己紹介時点での印象は、に直そう。小柄な体系におかっぱ頭、たしかに似合ってはいるが、とても中学生には見えず小学生中学年辺りでも通じそうだ。顔はきれいよりもかわいい顔でたれ目なのが特徴的だ。
体が小さい為か全身を使って話している姿はまるで小動物の様で、顔を真っ赤にしている事もあり、保護欲を誘う。
しかしながら自分はそんな彼女のことよりも先ほど自分がした宣言(あいさつ)の完璧さに愉悦に浸っていた。
あれは決まった!!人生においてあれほど流れをつかんだ自己紹介は無かった!盟友(クラスメイト)がみんな口を開けて固まっており、あれは私の覇気(オーラ)に恐れおののいていたに違いない!
今日のために一ヶ月も前からこの挨拶を準備していた甲斐があったという物だ。小学校5年の頃から私はある聖本(バイブル)をきっかけにしてこの世の真理に触れ、力を得た。それ以降私は昼には普通の小学生を演じ、夜は悠久なる闇(エターナルファントム)として世界の平穏を守っているのだ!
今日はこの盟友達(クラスメイト)の宣言が終わり次第家に帰還することが許される。その後に今日も世界の平和を守るために暗躍せねばなるまい。ナーッハッハッハ!!
私のこの宣言が後にあんな出会いを生むことになるとは自分自身でも考えもしていなかった。
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