Ancient Artifact

黒之輪

プロローグ

始まる世界、生まれる闇

 広い宇宙の中、その星は生まれた。

 強大な魔力を内包した星は自我を得た。彩星は真名をエルドラドとした。

 星の核に不可侵の聖域となる「神域」を創り、そこへ一柱と一人の根源を創りあげた。創造の根源である『創造源神』。破壊の根源である『破壊を司る者』。二人は星の表面へ転移すると、根源の力を以て、荒れ果てた大地を整えた。

 創造の神は新たに三柱の神を創る。


 火と雷を司る熾天使。

 風と水を司る智天使。

 氷と地を司る座天使。


 彼らは創造源神の整えた大地に降り立つと、己の持つ属性を世界に浸透させる。枯れた大地に海が溢れ、植物が芽吹き、空に色が映えた。削る部分を『破壊を司る者』が破壊し、創造源神が世界を整えた。

 世界が出来上がると、次は生き物を創造した。山に、川に、森に、草原に。鳥や獣、竜が生み出された。自らの使いである天使を創り、世界の至るところに散りばめた。

 最後に神は人間を創った。人々は生きるために狩りを行い、自然の恵みを受けながら生活を始めた。創造源神と破壊者と三元神は、人々の動向を見守った。


 千年が経ったある日、天使の一人が謀反を起こす。

 リリスの名を冠した天使は闇に堕ち、歪んだ力を以て悪魔を生み出した。光に包まれていた地上は闇に染まり始める。小さな争いを発端として、地上は悪意に侵蝕されていく。


 熾天使は自ら堕天使の討伐を志願し、地上へと降り立つ。仲間を集め、悪魔を退治していく。やがてリリスと対峙し打ち勝った。しかし彼女は死ななかった。世界に蔓延した悪意を吸収し、堕淫魔リリスとして復活。

 リリス討伐の英雄となった者達は、再び集い立ち向かう。

 だが、謎の流行り病に倒れ、皆が死んだ。三元神の一人である熾天使にも死をもたらした。死体は堕淫魔リリスに回収されてしまい、創造源神による復活を許されなかった。


 それから時が経ち、四千年を越えたある日。

 命運を握る少年が生まれ、世界は動き出す。


「運命に抗え。歴史を裏切れ。未来を変えろ。己の道を示してみせろ」

 神域から『破壊を司る者』は見ている。

 『創造源神』と共に、世界を。


 これは、運命を歪められた者達の物語である――。

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