　金魚すくいの勝負でサツキに負けた僕は、サツキにあんず飴（あめ）をご馳走（ちそう）する為（ため）、二人であんず飴（あめ）の屋台へと向かった。

　あんず飴（あめ）の屋台までは、金魚すくいの屋台から中央の通りを挟（はさ）んで反対側にあった。僕はサツキの手を取り、サツキと逸（はぐ）れないようごった返すひと達を掻（か）き分け、あんず飴（あめ）の屋台の方へと進んで行った。

　その時の僕とサツキは二人で昔、一緒に行ったお祭りを思い起こし、懐（なつ）かしいこんな会話を交（か）わしたのだ。

「サツキ…　そう言えばサツキ、ヨーヨー釣（つ）り好きだったよなぁ？」

　こう僕がサツキに話し掛けると、サツキも僕に向かってこう言った。

「ハヤトくん。ハヤトくんだって、射的（しゃてき）に夢中だったでしょ」

　こんな会話を僕とサツキが交（か）わしていると、あんず飴（あめ）の屋台の目の前まで辿（たど）り着くことが出来たのだ。

　その時突然（とつぜん）、僕のスマホの着信音が鳴り、僕は自分のスマホをポケットから取り出し、誰からの連絡か確認してみることにしたのであった。

つづく…

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