第19話 おっきくて、柔らかい

「ダメって、その……」

 俺が言い終わらないうちに、今度は正面から俺に抱きついてきた。

 ぎゅう……俺の胸に、雪の巨乳が押しつけられた。思わず、俺も雪を抱きしめる。

 雪が俺を見上げる。俺も雪の顔を見ようと下を見た。


「ぐ……!」

 押しつぶされ胸の谷間が目に入ってきた。だめだ、そっちじゃない。雪の目を見なくては。


「雪ちゃん、ごめん。俺、雪ちゃんのこと、あんまり意識したことなくてだな、彼女でいいかどうかとか考えたことなくて……」

「……好きでなくてもいいんです。付き合ってください。どうしても私のことを好きになれないようだったら……その時は、別れてもらっていいですから……」


 雪の手がすすっと俺の股間に降りていく。


「……こんなに固くなっているってことは、私と……したい、ってことなんじゃないんですか?」

 え? ちょっと、どこ触ってんだよ、雪!

 やばい、紗希のフェロモン効き過ぎだろ! どうしたらいいんだ!


 ――ヤればいいじゃないか。


 俺の脳内で悪魔が囁いた。


 ――あのフェロモンだらけの部屋なら、簡単に欲情してパンツ脱ぐぞ。


 Fさんの言葉が鳴り響く。


 ……そうだな。よく考えたら、俺彼女いないし誰とえっちしても問題ないよ。紗希が俺と付き合ってくれるかなんて分らないし、これだけ迫ってくる女の子がいるんだ。断るのはかえって失礼じゃないか?


 コンドームは……さっきFさんから受け取った。ポケットに入っているし。


「あれ、これ何ですか?」

 ポケットのコンドームを、雪が見つけてしまった。

「んんんん、えーっと、それは、ぬああああ!」

 雪がクスッと笑う。


「……なんだ、準備してたんだ。私を家に入れたのも、そういうことだったんですね。したかったんだ」

「いや、違う。たまたま今日……」


 たまたまコンドームの箱ポケットに入れてる高校生いないよなあ。財布に一つか二つ忍ばせているヤツはいても。


「健太さん……いっしょに、それ、使いましょ?」


 雪が俺の手を取り、自分の胸を触らせた。

「紗希ちゃんよりは……おっきくて、柔らかいと思うの。比べて。どう?」

「いや、俺は紗希の胸は触ったことないし……」


 本当はある。淫夢のなかでだけど。それと比較しても、確かに雪の胸は柔らかく、大きい。


「紗希ちゃんのベッド……使いましょ? 妹のベッドで、妹の友人と……興奮しませんか?」

「そ、そうだな」


 俺は覚悟を決めた。ここまで誘われて、ヤらない選択肢はない。

 よく考えれば、ここで童貞を喪失すればFさんもいなくなる。

 そうなれば、Fさんが紗希を襲う心配も無くなるし、将来俺があんな恥ずかしい大人になることも回避できる。


 おまけに俺は雪という超高校生級の巨乳JKと相手に初体験できる。さらに、えっちするだけして、気に入らなければ付き合わなくてもいいと来ている。

 なんて、恵まれた初体験なんだ。やるしかないだろう。


 俺は雪の胸の感触を味わいつつ、ベッドに移動した。

「い、いいんだね、雪ちゃん」

「はい……。早くして……。紗希ちゃん帰って来ます……」

「わかった」


 俺と雪はベッドになだれ込む。雪は目をつぶり、口を突き出している。


 キスしてくれって意味だよな?

 で、キスしたら、触りっこして、服を脱がせて……まずは胸かな、次にお口で、最後にコンドーム付けて……挿入だよな? キスしたら後戻りできないよな?


 ……よく考えたら、俺、夢以外ではキスも初めてなんだよな。ファーストキスと同じ日に初体験か。


「……キスしてくれないんですか?」

 雪が目を開けて俺を見た。

「あ、いや、ごめん……」

 再び雪が目をつぶる。

 よし、行くぞ!


 俺が唇を重ねようとしたその瞬間だった。


「……兄貴と雪ちゃん?」


 後ろの方から声がした。紗希だった。


「何やってるの……私の部屋で……」


 ベッドの上で抱き合い、キス寸前の俺と雪。その後ろに立つ紗希。

「紗希!? は、早かったな、その、もっと遅いかと……」

「もっと遅かったら、何してたわけ!?」

 紗希が怒鳴った。

 いつの間にか床に落ちていたコンドームの箱を紗希が拾い上げ、俺に投げつけた。

「なによこれ! なによこれ……。……2人とも不潔! そのまま……、そのまま、えっちすればいいじゃない!」

「いや、まて、紗季、誤解なんだ」 

「最低! 兄貴最低! 私の部屋で私の親友とえっちしようとするなんて! 雪も最低! 人の部屋で、ベッドで、そんなことするなんて!」


 紗希は部屋から出て行ってしまった。

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