操作方法

「ホントに浮かんでる~!」

「ユウ!」

「あ、ライナ」

「ユウって、空飛ぶの初めてなの~?」

「うん、そうだよ」

「へぇ~、珍しいね~!ココじゃ飛ぶのなんて当たり前だからさ~」

「ハハハ…(空飛ぶなんて、向こうの世界じゃビックニュースだよ…)

 当たり前でも、授業で練習するんだね~」

「そうだよ!だって、私達学校に入るまでは飛ぶ時は親と一緒だもん

 単独で飛ぶ練習は、学校に入ってからなんだよ!

 でも、通学に不便しない程度に乗れるけどね♪」

「へぇ~、そうなんだ(自転車みたいなものかな?補助付き自転車から補助外した感じ?)」

「全く何もしたこと無いのか…それにしては、上手いよね!」


そう言う彼女は、スノーボードに乗って、自由自在に飛び回っている


「ライナはもっと上手だね」

「まぁ、毎日乗ってるからね!ユウも慣れたら、すぐ上手くなるよ!」

「…なら良いんだけどなぁ~」


そう言いつつ、ユウは少しずつ降りて行く

ライナは「じゃあ、後でね」と言って、飛び去って行ってしまった


「ふぅ…結構疲れる」

「そりゃね」


ユウの独り言に返答があり、ユウは慌ててそちらを見る


「リーナ先生…」

「何も無しに浮かんでるわけじゃないのよ、魔力を使って浮かび上がってるの

 飛行に使う魔力は少ないけれど、今まで魔力を使ったことの無いユウには、

 結構な疲労感が感じられるわ」

「なるほど…」

「ま、毎日登下校で使っていれば慣れるわ」

「そうですかね…

 あの、ところで…浮かぶには浮かべたんですけど、進むにはどうしたら?」


ユウの質問に、リーナは一瞬止まる

ユウは首を傾げる


(そっか、親が飛んでるところを見てないし、

 魔法使ってるところを見てないから、ホントに何も知識無いのね)


普通、入学してくる時点で魔法の基礎中の基礎は知っているものだ

しかし、ユウは魔法の無い世界にいたので、基礎中の基礎も知らないのだ

リーナは一人納得した


「簡単よ、進むイメージをするの

 魔法は全てイメージが根本にあるのよ」

「へぇぇ~~」


ユウは、本当に感心して聞いていた

リーナは、不思議な感覚だった

当たり前の事が当たり前じゃない世界

当たり前は世界によって違うのは知っている…自分だって異世界に旅行へ行ったことがある

分かってるつもりだったが、ユウのいた世界はリーナの理解を遥かに越えていた


「1時間目は飛行訓練だから、自分のペースで練習しなさい

 分からない事があれば、聞きにおいで」

「分かりました」


今のユウに言えるアドバイスは本当に『自分のペースで練習』しかなかった

もう少し上達すれば、もっと具体的にアドバイス出来るだろうと思いながら、

リーナは水晶に乗って他の生徒を見に行った


「へぇ~、水晶に乗っても飛べるようになるんだ…」


ユウはポツリと呟いた

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