第748話 hellish fire…業火(ごうか)

hellish fire…業火(ごうか) 平成26(2014)年、「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式あいさつ」で、安倍総理は以下のように述べました。


『69年前の朝、一発の爆弾が、十数万になんなんとする、貴い命を奪いました。7万戸の建物を壊し、一面を、業火と爆風にさらわせ、廃墟と化しました。生き長らえた人々に、病と障害の、また生活上の、言い知れぬ苦難を強いました。』


 ところがねえ、「業火」ってのは仏教用語で「自分の行なった悪業の報いによって苦しめられることを,火に焼かれるのにたとえていう。また,地獄で罪人が焼かれる火をさす場合もある」(コトバンクより引用)なんよ。広島市民、罪人あつかいかよ。で、その部分を英訳したのが「ヘルフィッシュ・ファイア」。


 さすがにこれはどうか、って話があったんだろうねえ、翌年には以下のようになってました。


『あの朝から七十年が経ちました。ここ広島に投下された一発の原子爆弾により、十数万にものぼる幾多の貴い命が奪われ、街は廃墟と化しました。惨禍の中、一命をとりとめた方々にも、言葉に尽くしがたい辛苦の日々をもたらしました。』


 どうして火を使ってはいけないんですか、怪談噺だったら火の玉使うじゃないですか、と、学校に交渉する落語研究会の女子高生。だめだったらだめに決まってるんだろ、去年楽屋丸焼けにしちゃったのお前らじゃないか、と怒る学校側(生徒会)。あれは私たちじゃなくて、ヘビメタ研究会がしでかしたことです、と反論する女子高生。

 ヘビメタでも落語でも、高校の文化祭で本物の火を使わせてくれるかなあ。

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