第539話 mole…二重スパイ
mole…二重スパイ ラスボスとの最終決戦になった勇者の女子高生。よくもここまで来られたものだな、と言う魔王のそばへ寄る旅の仲間の女子高生。その子は、申し訳ないんだけど、私は魔王の命を受け、あなたを監視し、最後まで無事に来れるよう案内しました、と二重スパイであることを告白する。動揺する仲間たちだけど、落ち着け、そんなことは知ってた、となだめる勇者。今までご苦労だった、と、魔王の一の副官に言うと、副官は勇者のそばへ寄る。この者は、勇者であるこの私の忠実な二重スパイだったのだ、という勇者に対し、ふ、ふん、あたしだって知ってたもんねー、べっつにー、気にしてないしー、と女子高生モードになる魔王。モール(もぐら)という語を最初に二重スパイの意味で使ったのは、第二次大戦後の米ソ冷戦時代にスパイ小説を書いていたジョン・ル・カレだそうです。米ソどちらも、あいつは二重スパイだってことは上層部は知ってても、殺したり送り返したりしても別の二重スパイが来るだけだからなー、と適当に本当のゆるい情報(エサ)を与えてたとか。
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