第186話葉月とラルクのドキュメンタリー映画を観に行く
「健くんさ。明日の土曜日の夜に『Over The L‘Arc~en~Ciel』って、この前のワールドツアーに密着した、ドキュメンタリー映画を、一緒に観に行こうよ!」
健はいきなり葉月から、突然そう誘われた。
「ちなみに映画館のチケットは、もう二人分を予約済みだからね! あっ、ちゃんと健くんの分のチケット代は、後でもらうからね!」
葉月からその提案を聞かされた健は、
(いつも物事が突然過ぎるんだよ。お姉ちゃんはさ……)
健はそう心の中では呆れながらも、葉月の誘いに同意した。
その当日、新宿駅で待ち合わせをした健と葉月の二人は、上映している劇場である『新宿バルト9』へと向かった。
よそから見たら恋人同士のデートとも捉えかねない二人であったが、観終ったときに葉月が、
「tetsuyaってさ。結構プライドが、高いんだね。あんなに自分たちのコンサートスタッフさんに、怒っちゃってさ……」
それを聞いた健は、葉月に、
「コンサートでの重要な機材に関するミスだったからね。もっとスタッフにはきちんとやってくれというのは、実はどのアーティストでも変わらないと思うよ。ただtetsuyaは、言い方がきつかっただけなんだと思うのね」
すると葉月が「お腹空いたね」と言って、健に、
「夕食、どうしようか? もうこんな時間だから、居酒屋さんかファミレスしか、開いてはいないとは思うのだけれど……」
それを聞いた健は葉月に、
「ちょっと新宿の街をブラブラしてみて、開いてみる店があったら、そこに入ろうかい?」
そうして健と葉月は、とある居酒屋にて一杯やって、今晩の夕食もその店で食べて、二人は自宅へと帰ることになった。
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