第58話大学の『哲学』の授業にて

 話は今日子が理科大の大学一年生のときに、遡る。

 それは大学での『哲学』の授業中だった。大学での一般教養の授業の中でも特に言われるのが『哲学の授業が面白くない大学は大学じゃない!』という話題であって、それは今日子も高校生のときに、卒業生が後輩の在校生に対して大学生活や、自身の受験勉強の話をしたりする『進学激励会』のときに、とある先輩がそのことについて話をしていたことを、思い出していた。

 今日子も大学に入ってからそれに漏れずに、哲学の授業を一般教養の単位を取るために、受講していた。

 ある週の授業で冒頭に担当の先生が『正義って何だろうね?』と、受講している学生たちに問いかけた。

 それを聞いた今日子は、そういえば中学のときに美咲から、授業中の雑談として『人を殺すことの善悪』の問いを投げかけられたことを、そういえばそんな話があったなと、しみじみと思い出していた。

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