第125話瞳の故郷遠野へその3
新花巻駅から釜石線へと乗り換える。さすがは田舎のローカル線である。 やって来る電車は約二時間に一本しか運行していない。線路ももちろんというか、単線だった。
また肝心のやって来た電車も、ディーゼル車であった。
電車が到着するなり、瞳が何かを思い出したかのように、こう言った。
「あっ、言い忘れていたけれども、乗る際に乗車の整理券を取るの、忘れないでね。これは帰りのときも、特に気をつけないといけなのだけれど」
瞳が「言い忘れてごめん」といった表情でそう言うと、園里が、
「それ、先に早く言ってよ。危うく取り損ねそうになったじゃない!」
四人は座席に座ることが出来た。窓の席から外を眺めていた園里は、
「本当に周りは田んぼだらけの、のどかな光景が、広がっているね」
電車が四人が乗った新花巻駅からそこそこ進むと、線路の周囲は草だらけになってきた。またも園里が、
「まるで草むらの中を、電車が走っている感じじゃないかしら? しかしまあ本当に、山と田んぼしかないのね」
確かに電車が走る左右には、田んぼや緑の草や木々が目立つ。
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