第36話昼食時に重森とその5

 続いて雪絵は、重森に雪絵自身が持っている病気の『統合失調症』について、雪絵がわかっている範囲内で、重森に話をしはじめた。

「あの……『統合失調症』って……もちろん誰でもなるわけではなくって……例えば負荷の高いストレスなんかが長期間……その人のキャパを超えるくらい続くと……発症しちゃうケースが多いらしいのだけれども……ただなんか統計を取ってみたら……圧倒的に冬生まれの子の発症が多いらしいの……って医学部に行っている中学の同級生が……教えてくれたの……。だから今精神科の世界では……冬に妊婦さんに感染するウイルスが……生まれてくる子どもの統合失調症の発症に……何か関わっていないかって……それで今……実態調査に乗り出しているって……聞いているから……」

 雪絵と重森は、そんなたわいもない話をお互いにしていたが、そうこうしているうちに昼休みも終わりの時刻へと、近づいてきた。この曜日の三限は、雪絵と重森はそれぞれ別の授業を受けるので、重森は雪絵に、

「今日は話をいろいろと聞かせてくれて、どうもありがとうね。また一緒に食事が取れるタイミングがあったらまた、一緒に話をしたいな! じゃあまたね。雪絵さん!」

 それを聞いた雪絵は、重森に、

「そう言ってくれて……どうもありがとう……それじゃあまたね……」

 二人はそう言い合って、雪絵と重森は、それぞれの三限の授業が行なわれる教室へと、向かった。

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