貼ノ章
邪渇宮にいた暗殺者のビマよりもレベルが高い
こいつが『トライセラトリス』とか言うメンバーの一人か、奥の扉の向こう側を覗きに行くのを、千景は少し
『トライセラトリス』の男に、見張らせ、ここまで来るまでに
予想通り、
部屋は、上にいた男の仕事なのだろうか、血の跡は、それなりに掃除されていたが、それでも壁や床には、もう拭いても拭き取れないのであろう、赤い染みが至る所に残っていた。
救えない奴らだ、千景は一言吐き出した。死体を見た時の気持ち悪さや恐怖は、不思議と湧いてこず、怒りの感情だけが、千景の体を熱く貫いていた。千里眼を更に奥へと進め、手術台のような台を越え、拘束具が付いている三脚の木製の椅子を横目に、下へと続く階段を下った。すぐ下には、八つの牢屋の部屋があり、そのうちの三部屋に、うずくまっている少女がいた。どの少女も、白い綺麗なワンピースを着せられ、やつれている少女を思い浮かべいた千景の想像とは異なり、牢屋に繋がれている三人の少女の血色はよかった。ただどの少女も目は虚うつろであった。ここに居ては生きていても生きた心地はしないだろう……そこから階段はまだ下に続いていたが一番下には水が流れていて、そこが行き止まりのようであった。
一通り観察を終えた千景は、すぐさま『天稟千里眼の術』を解き、ゴルビスの最悪な趣味が行われている倉庫に向かった。その間、千景はグループヴォイスチャットを開き「天音、今からさっきエルタが言っていた『トライセラトリ』のメンバーらしき男に会ってくる、もし俺になにかあったらすぐに来てくれ」と言った。天音はいつも通り「かしこまりました、御館様」と言い「ご武運を」と付け加えた。
千景は自己強化の忍術や、スキル、アイテムを惜しげもなく使いだした。
『
千景は、出来うる限りの準備をして倉庫の前に立った。もう一度、中の様子を千里眼で見ると、男は下の部屋に向かっている最中だった。都合がいい、千景は、
千景は開錠作業を終えると、手早く扉を開き、倉庫内に入るとそのまま一直線に突き進み、奥の扉と鉄格子を開錠し、階段を一気に駆け下りた。下の部屋には、職種屍操師の男はこの中にいる、丁寧に台を拭いている姿が見える。千景は透明化を解き、意を決して扉を開けた。
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