価値

僕は「価値のある人間」になれただろうか。

誰かに必要とされる人生を歩んだのだろうか。

答えを探せど見つからず、安い焼酎に誤魔化して貰う。

渋谷で首に手を回された夜も、飲みに誘ってくれた夜も

僕を必要としてくれた訳じゃあない事を痛い程、理解している。

みぞおちから抉られる様な不快感を死にたくなる様な憂鬱感で促進させたら僕は声にならない声で涙でない涙を流すのだ。

必要なのは僕じゃあない。

隙間を埋める

一時的な粘土の様な人間。


君が僕を握って「飛べ」と叫んで

放り投げるけど、飛ばない。

-The BlueHearts 「期待はずれの人」


涙でない涙。

それは口を通して吐き出される煙となって流れるのだ。

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