第36話 緑茶


 ある朝、わたしは気分悪く目覚めた。

 暑さと湿気で熱中症気味になったようだ。

 水分をとらなくては……

 嫁に「何か飲み物持って来て」と頼んだ。


 嫁はペットボトルの緑茶を持って来てくれた。

 それを飲んだ瞬間、ぬるっとした液体が口の中に入ってきた。

 私は慌てて階下に降り、「おえー」と緑茶を吐いた。


 腐って緑茶がゼリー状になっていたのだ。


 嫁は、わたしがドタドタと階段を降りたので、あー緑茶が熱中症に効いて元気になったんだ、と思ったそうだ。

 素直な人である。


「 緑茶腐ってたよ!」

「そういえば冷蔵庫に入れてなかった……二日前から」


 あれ?

 『腐った緑茶に刺激されて、なんか熱中症治ったかも……』

 気のせいだったのかな?

 

 「元気になったんだから良かったじゃん。」

 

 できれば、普通の緑茶で元気になりたかった。

 これからは冷蔵庫に入れてね。

 

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