前田薫八の「勝手に受賞作読んでみた感想文」

第6回講談社ラノベ文庫新人賞

個人的おすすめ作品ベスト３

１位　自殺するには向かない季節

２位　ディヴィジョン・マニューバ －英雄転生－

３位　巨乳天使ミコピョン!

　１位の「自殺するには向かない季節」はある日クラスメイトが自殺していまい、その原因が自分の何気ない一言だったのではないかと主人公が悩む。その時、主人公の友人から過去に戻る薬をもらい、主人公は過去に行くことに。しかし、その友人は過去は変えられないという……。

　変えられない運命の中で主人公と自殺してしまったヒロインがどのように生きていくのかが読み応えありました。最後の展開にも納得です。

　２位の「ディヴィジョン・マニューバ －英雄転生－」は転生系ではありますが、異世界に行くわけでなくその世界の中で転生する物語。最強だった前世から最弱になってしまった主人公はどうやってこれから戦っていくのか。その生き様が面白く書かれていたと思います。主人公最強系が好きな人にオススメかな？

　３位の「巨乳天使ミコピョン!」はコメディ重視のラブコメ。襲い掛かる悪魔たちに天使と契約した主人公は様々な力を使って戦います。しかし、その力を得るにはポイントが必要であり、そのポイントを得る方法が乳ビンタを受けるや美女に罵倒されるなどとんでもないものばかり。それでも最後はしっかりと締めているのはさすが。

その他の作品の感想

「ドラどら王子の花嫁選び」：五人も花嫁候補がいる主人公が結婚しなければならなくなってしまうお話。花嫁候補それぞれに事情があり、最後に誰を選ぶかドキドキしました。

「白翼のポラリス」：世界が海に沈んで国が飛空艇のようなものに浮かんでいる世界。そこで主人公はヒロインを運ぶという仕事をすることに。もちろん、そのヒロインはただものではありません。

総評

　大賞の「自殺するには向かない季節」はライト文芸のような雰囲気だったので、こういうものも受賞するのかとちょっとした驚きがありました。最近は普通のライトノベルの賞でもライト文芸は受け入れられてきている気配が感じられますね。

　全体的なジャンルとしては異世界系と現代物が半々くらい。バトルものやラブコメものもあり、バランスとしては取れている気がします。幅広く受賞作をとっている印象ですね。