前田薫八の「勝手に受賞作読んでみた感想文」

第6回MF文庫Jライトノベル新人賞

個人的おすすめ作品ベスト３

１位　変態王子と笑わない猫。

２位　喰 -kuu-

３位　魔法少女☆仮免許

　１位の「変態王子と笑わない猫。」はアニメ化もされた一作。本音しか言えなくなった主人公と表情のなくしてしまったヒロインが自分たちの失ったものを取り戻そうと奮闘するラブコメです。十年前の受賞作ですが、現代でも通用しそうなほど精練された印象を受ける文章とストーリーです。売れたのも納得の出来。

　２位の「喰 -kuu-」は食べることに命を燃やすフードファイターの物語。主人公は大食いのヒロインに惚れ、告白するものの、ヒロインは無謀とも思えるほど量がある大食いチャレンジに成功したら付き合うという。主人公が大食いの道へ進むラブコメ。大食いという珍しい題材をうまくラブコメにした作品だと思います。食べることが好きな人にオススメ！

　３位の「魔法少女☆仮免許」は魔法少女のヒロインに振り回される主人公のお話。その魔性少女は一人ではなく……。とにかくヒロインたちが可愛かったです。個人的には理不尽なまでに主人公に絡んでくるドＳな魔法少女のほうが好みですかね。

その他の作品の感想

「ドラゴンブラッド」：雷を操る主人公が普通の生活に憧れて戦う物語。異能力バトル系。雰囲気としてはシリアス強めですかね。

「ふぉっくすている？」：元九尾の狐である主人公が人間をしていることで妖狐の女の子につきまとわれることになるお話。妖怪が出てくるドタバタラブコメが好きな人にオススメ！

「つきツキ！」：目を覚ましたら女の子が隣に寝てましたといういかにもありそうな導入のラブコメ。主人公にある心当たりとは自称神様に守護霊をつけてやると言われたことだが……。

「社会的には死んでも君を！」：ラブコメの呪いがかかった主人公が元凶である幽霊のヒロインとイチャイチャ（？）するお話。ラブコメに負けずに主人公は元の生活を手に入れることができるのか！

総評

　圧倒的ラブコメ率！

　今回はその一言に尽きるでしょうね。「ドラゴンブラッド」以外はすべてラブコメといっていいんじゃないでしょうか。ここまで片寄るのはちょっと珍しいかも。ＭＦがラブコメという印象を作ったのはこの第６回ではないかと思わないでもないです。