第16回ファンタジア大賞

個人的おすすめ作品ベスト3


1位 ご愁傷さま二ノ宮くん

2位 まおうとゆびきり

3位 SAKURA-ment


 1位の「ご愁傷さま二ノ宮くん」は男嫌いのサキュバスと同棲することになった主人公が様々なトラブルに巻きまれて四苦八苦するドタバタラブコメです。主人公とヒロイン以外にも個性的なキャラクターが盛りだくさん。特に彼らの兄と姉は何者なんだと思えるほどメチャクチャなこともあっさりやってのけます。その恩恵も被害も受けるのは基本的に主人公。主人公のがんばりがこの小説の肝でしょう!


 2位の「まおうとゆびきり」は普通の女子高生が魔王を押し付けられるという現代ファンタジー。この魔王、実はものすごくハイスペックなのでなんでもできます。しかし、魔界から魔王を狙う刺客も次々とやってきてもう大変。普通の女子高生だった主人公とその友人たちは魔王とともに奮闘します。読みやすい雰囲気で書かれているのでスラスラと読めるでしょう。


 3位の「SAKURA-ment」はホムンクルスの少女を預かることになった主人公の物語。彼女の成長とともに主人公にも変化が訪れます。双子の従姉妹との関係も重要。ホムンクルスの少女が彼、彼女たちの生活を変えていく、夏休みという長いようで短い一夏の思いでの話です。




その他の作品の感想


「約束の柱、落日の女王」:シリアスファンタジー。17歳で女王の地位についたヒロインと戦士の話。優秀な主人公だったが、彼にはある秘密が……。


「トウヤのホムラ」:和風ファンタジー。主人公は封印されていた神であり、ヒロインは封印を解いた巫女。ヒロインが主人公の封印を解いた目的とは!


「ムーンスペル!!」:ファンタジー。国家試験に落ち続ける主人公は、ある日倒れている少女を助ける。しかし、その少女はなぜかものすごく態度が大きかった。その少女の正体とは……!



総評

 今回もいっぱい読むことができました。傾向としては準入選という他の賞で言えば金賞に値する「約束の柱、落日の女王」、「トウヤのホムラ」の二作がシリアス重視のようだったので、この年はシリアスものを重用した年だったのかもしれません。個人的にはシリアスとコメディのバランスがいいものが好みなので、オススメとしては上のようになっています。

 さすがにこのくらいの年(2004年前後)になってくると目新しいものはなかなか見られないようです。これは現在書かれている作品が昔のこれらの作品を大いに参考にしているということでもあるでしょう。

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