第11回GA文庫大賞
個人的おすすめ作品ベスト3
1位 ひきこまり吸血姫の悶々
2位 城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない!
3位 竜と祭礼 —魔法杖職人の見地から—
1位の「ひきこまり吸血姫の悶々」は可愛いけれど弱い吸血鬼のヒロインが荒くれ者の部隊を率いることになる物語。その部隊は隊長が弱ければ簡単に下克上で殺してしまうほどの乱暴者揃い。ヒロインのコマリは自分が弱いことを隠し、何とか部隊を率いていくしかないというストーリーです。基本的にコメディ調で読み進めることができるので読んでいて楽しかったです。あとコマリが可愛い。後半はシリアス展開もあり、手に汗握らされました。今回の一押しです。私もコマリ隊に入隊しようかな……。
2位の「城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない!」は古代文明が残した城を攻略していくという世界設定のもとに剣士の主人公と魔法使いのヒロインのコンビが活躍する話です。が、このヒロイン、魔力はすごいのにひどいノーコンなのである。敵に向かって撃っても味方に当たるのに、味方を狙った場合は味方に当たるというもうどうしようもない味方殺し。そんな彼女を率いつつ、主人公は無事城を攻略できるのだろうか。その結果はぜひ読んでみて確かめてください。
3位の「竜と祭礼 —魔法杖職人の見地から—」はファンタジー世界なのですが、バトル要素はほぼ皆無という珍しい形のラノベ。ストーリーだけならば壊れた杖を直すために素材を探したり資料を漁ったりと言葉で書くと地味ですね。しかし、そこにはしっかりと物語があり、かなり考えられていると思われる設定が埋め込まれています。読めば引き込まれること間違いない!
その他の作品の感想
「処刑少女の生きる道―そして、彼女は甦る―」:GA文庫大賞としてはかなり久しぶりの大賞。異世界からやってくる日本人たちを殺害するために主人公の少女が戦うのですが、今度やってきた日本人の女の子は一味違う?
「帝国の勇者 世界より少女を守りたい、と"まがいもの"は叫んだ」:特殊な能力を持つ勇者たちの中で中途半端な能力しか持てない主人公と勇者たちを襲う勇者殺しのヒロインの物語。この二人の関係に注目です!
「小泉花音は自重しない 美少女助手の甘デレ事情と現代異能事件録」:電気を操る能力者であるヒロインと主人公がとある事件に巻き込まれる物語。しかしこのヒロイン、突き抜けるほどにデレデレである。
「【配信中】女神チャンネル! え、これ売名ですの!?」:今ならではと言えるユーチューバーのラノベ。そんな主人公のもとに次々とやってくるおかしなやつら。売名のためなら何でもします!
総評
今回はダンまち以来となる大賞が出た年でした。それに引き寄せられたかのようにレベルの高い作品が多かったような気がします。ジャンルとしてはまあ、当然というか、わかっていたというか、やはりファンタジーが多かったですね。ほぼすべて異世界ファンタジーの要素があったのではないでしょうか。その中でも異彩を放っていたのは「竜と祭礼 —魔法杖職人の見地から—」。ファンタジーなのにこんな話の作り方もできるのかと感心してしまいました。戦うばかりがファンタジーじゃないと思い知らされた一作です。
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