前田薫八の「勝手に受賞作読んでみた感想文」

第1回電撃大賞

個人的おすすめ作品

１位　クリス・クロス 混沌の魔王

　１位の「クリス・クロス 混沌の魔王」はＲＰＧのようなゲームの世界に取り込まれた主人公がゲームの世界から脱出するために奮闘する物語。これだけ聞くととある作品を思い出す方も多いと思います。そうです。ソードアートオンラインです。まさしくその原型となったのではないかと思われる作品がこれです。細かい設定は当然違いますが、ドキドキやワクワク感などはまさしくソードアートオンラインそのもの。気になる人はクリス・クロスとソードアートオンラインを読み比べてみましょう。似ているところや違っているところを探すのも面白いですよ。

その他の作品の感想

「五霊闘士オーキ伝」： 三重県四日市市に住む主人公はある日宇宙人の事故により死亡してしまうが、五人のサイボーグを率いる戦士としてよみがえるという物語。電撃バトルものの元祖になるんですかね。

「冒険商人アムラフィ」： 世界を旅するファンタジー小説。壮大な世界観で主人公の少女が様々な冒険をしていきます。

「雲ゆきあやし、雨にならんや」： 短編。掲載元は「臥竜覚醒」という短編集です。時代小説であり、片腕の武士とお面を彫る彫り師のヒロインとの運命的な物語。

総評

　第一回ということもあり大賞、金賞、銀賞、さらに短編での受賞もありました。ジャンルとしてもファンタジーに現代バトルに時代小説とバランスよく受賞していると思います。

　第一回で発刊されている部数が多かったのか、今回は比較的すんなりと見つかりました。さすがに新刊では見つかりませんでしたが、通販サイトなどでも手に入りやすいと思います。……値段を考えなければ。

　クリス・クロスの説明でもしましたが、昔の作品を参考にして現在の人気作になっている小説も多いかもしれません。温故知新とも言いますし、昔の作品だからといって参考にならないというわけではないでしょう。