第14話 Liar(3)

 四姉妹が合体して具現化する巨大スーパーロボ、その名はシセイオン。

 腰のくびれた女性型のボディ。それに対してアンバランスな程、太い四肢。背中には巨大な翼が生えていた。

「青龍姉様、必ず助けだす」



「たりぃマジたりぃわ」

 夕刻。学校終えたほむら達は近くのコンビニ駐車場で屯していた。

 うんこ座りして唾を口から出したり入れたりする、ほむらがとても目立つ。

 外見は大人しそうで赤色のリボンが似合う可愛い少女が唾を垂らし、真っ白な太ももを大胆にさらけ出しているのだ。

 客達は目のやり場に困りつつ、因縁つけられたら大変だと速やかにその場を去っていく。

「ジンいないとホントお前、アレだな」

 友人で幼なじみの犬飼巧が、買ってきた缶コーヒーをほむらに渡す。

「大丈夫ジャージ履いてるし」

 えっへっへっへと、笑顔で受け取る。

「タクちゃんも、うちら(影狼)に入ればいいのに」

「そうだよ。巧いればジンも……って何だあれ?」

 坊主頭の少年、中島が空を指差した。

 成神の空に現れたのは、二体の巨神。


『来たか』

 ひたひたと裏道を歩くアクゥは、犬歯を覗かせ邪悪に笑う。



「何でここに!」

 モニターに映る見知った街並みをグルリと見渡す。

『ごめんね、お兄ちゃん。朱雀姉が』

『はうぅぅ、間違えちゃったですぅ』

 慌てふためく声がコクピットルームに響いた。

『大丈夫だジン殿、バリアを張った。街に被害無し』

『朱雀……お主……』

 首筋の産毛がチリチリと逆立つ。何かが変だ。朱雀がドジっ子属性なのは分かっている。しかし今のはわざとすぎた。

 それでも何も言わなかった。気のせいにしてしまったのだ。

 再会できた喜びが玄武の視界を曇らせる。



「き、消えた今の何だ?」

 カランッ。飲みかけの缶コーヒーを落とし中島は信じられないと、メタルフレームのメガネを外し目をこすった。

「集団幻覚……?」

 タラタラと額から油汗を流し巧は精神を落ち着かせようと、深呼吸する。

「(ジンちゃん、ゲンちゃん……戦ってるの?)」

 二人に気づかれない程の小さな声で呟き、彼氏と友人の無事を祈った。



「らぁっ」

 蛇腹刀は鞭の様にしなり、鬼神の腕一本に牙をむいた。

 ぐるぐると絡み刃は装甲に突き刺さる。

『ギィッッ』

 鬼神は歯をむき出しにして威嚇すると、強く引いた。

 ザシュッ。黒いオイルが噴水となり吹き出す。

「むちゃくちゃだな。痛くねぇのかよ」

 引けば引くほど蛇腹の牙は、深く喰い込んでいく。

「今の奴に知性はない。只の獣よ」

 シセイオンもまた強く引く。腰を下ろし、重心をさげ両足で踏ん張った。

「……だからこそ、こちらが有利ってことさジン……殿」

 ギリギリギリギリ。

 ピンと真っ直ぐに張られた蛇腹刀から軋む音が鳴る。

「獣では決して私達には勝てないです。はぅっ!」

 朱雀の叫び。正面に映るは鬼神の耳まで裂けた口から溢れる紅蓮の炎。

「うらっ!」

 ジンは躊躇なく大地を蹴った。

 引かれる力と大地を蹴る力。二つが加算されシセイオンは跳躍する。

『グオオオオオッ』

 吐き出される炎の龍を軽々と交わし、大地に着地。

 背後に見えるは鬼神の背中。

「ナイスお兄ちゃん!」

 蛇腹が全身を拘束、動きを封じる。

「うらっああああゴッド・サンダーッッッ!」

 バチバチバチバチ。雷鳴。爆音。白ばむ世界。

 鬼神は完全に沈黙する。


「準備はいいかジン」

 作戦の前半は無事に終了した。ここから後半に突入する。それにはジンの協力が必要であった。

 姉妹が鬼神を封じ、武装したジンが体内に侵入。そして青龍をサルベージ。

 それが今回の作戦の全容であったのだ。

「タイムリミットは私達次第。みんなこのまま鬼神を拘束するぞ」

「ジンさん、お姉ちゃんをお願いします」

 ジンのいるコクピットルームに四本の触手が現れる。

 それが聖獣姉妹のものだと理解するのに、さほど時間が掛からなかった。

「待て待て待て、お前らそれは何だ?」

「ん? お兄ちゃんやーん妹の口からそれ言わせちゃうの」

 黄色の触手がくねくねと波打つ。

「ナノマシンをお主に渡す。ただし四分の一ずつ」

 黒い触手がしゅるると優しく首すじに絡み、耳元をチロチロと舐めだす。

「その方が玄武姉さんの負担も減るしね」

 白い触手が片腕に絡み、シャツを弄り乳首を触りだした。

「うぅぅ恥ずかしいよぉぉ」

 赤の触手はもう片方の手に、ヌルヌルとまとわりついてくる。

「ほらほらお兄ちゃん。つるつるぺたぺたロリボディだよ」

 背中からアニメ声で麒麟は囁く。

「…………」

「どうしたジン殿元気ないぞ」

「……男はデリケートなんだよ……」

「なんだ触手は興奮せんか。ならこれはどうだ?」

 ジンの体内に常駐するナノマシンが脳に幻覚を見せる。

 人の姿した全裸の四姉妹が体に抱きついていた。

 ぷるんぷるんぷるん。成人姿の玄武が巨乳を揺らし腰に跨がっている。

 見事なまでに綺麗な白虎の脚線美。片腕に絡み足でふみふみと、踏む。

 頬を真っ赤に染めて、形のいい乳房を片手で隠した朱雀は、ジンの逞しい指に自らの綺麗な指を絡めギュッと力強く握りしめている。

 ズキュュュン。麒麟は、ジンの背中に薄い胸と毛の生えてない体で抱きつき、股間を覗き込んだ。

「おっぱいいっぱい僕元気だね! お兄ちゃん!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます