世界は神の盤上遊戯。次の一手と引き換えに、埃まみれの日常が焦土と化す。
(異フ)48.war game(作:@unkman 様) ※完結お疲れ様でした※
『第2話 アシュレイ』について感想書いてく
(作品URL)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886796039
(エピソードURL)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886796039/episodes/1177354054886796055
主人公のひとり、アシュレイが受けた依頼についてのエピソード。
彼の中にある神のように、何かに飢えて彷徨う狼のようだ。
>アシュレイは知覚の可能な範囲を広げたまま移動を続けた。あてもなく街中を歩いていると、目の前に丁度よい立地の店が現れたので、足を踏み入れた。
刃物を専門に扱う店のようだった。棚に陳列された品々は玉石混合だ。
店主の視線や舌打ちに気付かぬふりをしながら、狭い店内をぐるぐると回る。一刻ほど商品を眺め続けた。入り口から店内に向けられる視線、周囲の音を観察し、尾行や監視の類が派遣されていないことを確信する。最も安い品のうち、一番頑丈そうなものを選んで迷惑料の代わりに購入した。
また歩く。次は本屋に入った。
紙の匂いに心地よさを覚えながら店内の二本の通路を行き来する。何冊か試し読みした。やはり、万引きを警戒する店主の視線以外には何も感じない。ひとまずの安全は確保できたと考えてもいいだろう。手に取った中から、なんとなく選んだ一冊を購入して店を出る。
大きな街だった。アシュレイの持つ古い安物の地図にさえ大きく名前が記されているほどだ。周辺からは安寧と商機を求めて人が集まってくるらしく、どこへ行こうが人の気配、臭い、生活音があり、眩暈がするほど様々な物で溢れ返っていた。
長い引用になったが、これ全部「尾行を撒く」ため。
一言か、あるいは一行で済ませられる描写を、上記のように濃密に描くのがこの作品の特徴のように思える。冗長、というわけではなく、この描写によって作品中の生活レベルというか、人々の暮らしの息づかいを描けているのだから、個人的には必要な部分かなと思う。
このようなリアルな異世界の空気に浸りたい読者にはうってつけではないだろうか。
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