『夜雨対牀第四 (五)』について感想書いてく


(作品URL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885876821

(エピソードURL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885876821/episodes/1177354054886028343



 兄の優しさと穏やかさに触れるエピソード。

 幽蘭がこれまで知らなかった、手にできなかった世界が開く音が聞こえたよう。


>屋根を打つ雨音は、なおも続いている。

 ごく近くに、兄の気配を感じる。他人の気配があると、気になって落ち着かない自分が。こうも落ち着いて――安心している――のは、血が繋がっているからこそであろうか。

 “安心”。

 これまでの幽蘭の人生には、無縁の言葉だ。

 安心感、というのは、こういうものをいうのだろうか。



 初登場時の鋭く研ぎ澄まされた雰囲気からすると、大きな変化を見せた幽蘭。ここまでの人生があまりにも残酷だったからこそ、『安心』の一言がとても重大な発見だったことがわかる。

 いずれ、遙か遠い兄の背中を追う者と成長していく萌芽だと言えるかもしれない。

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