『⑱-女傑侯-』について感想書いてく


(作品URL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882995190

(エピソードURL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882995190/episodes/1177354054885493545



 軍同士の総力戦を描いたエピソード。戦いは一気に終息へ。


>ライゼルス軍野営地で、兵士達の狼狽の声が響き渡る。混乱の渦は勢いを増す一方だった。

 天幕の中で一人椅子に腰掛けたアスヴァールは、静かに剣を握りしめていた。

 鞘から剣を抜く。鈍い銀光を放つ剣腹に、己の顔が映った。

 思っていたほど悲観的な顔ではない。いつもの投げやりというか、適当で眠たそうな自分だ。自慢の軍車が打ち破られたというのに、悔しさの片鱗もない。



 敗軍の将の、いっときの顔。

 大混乱の中、こうした『間』があることで、リズムというかテンポができている。

 アスヴァールの、趨勢すうせいを悟った顔がいつも通りというのがとても印象的だった。

 個人戦闘を描くのも大事だけれど、軍の戦いをしっかり描ききるのも力なのかなと思う。

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