『第19話』について感想書いてく


(作品URL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885316875

(エピソードURL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885316875/episodes/1177354054885316973



 自らのありのままを伝えるため、優香の元へ走るエピソード。

 感動的でありながら悲劇的。なんとも言えない感情を喚起させてくれる。


>それは愛情の発露でもなく情欲の交換でもない……生きるために必要なものを流しこむためのひどく原始的な行為だ。

 今まで惜しげもなく嘘と悪意を吐き出してきた口から、俺は優香が生きるために必要なわずかな水分と栄養素、そしておれ自身の何の脚色も無く、むき出しの本音を大きく込めて彼女の肉体へと流し込む。

 それが内臓をめぐり、彼女の血肉となって、そして細胞の一つ一つに取り込まれることを望み、生きる糧になることを願いながらただただ不器用でグロテスクな『近藤恭介』の一部を同化させていく。


 歪んだ愛――なのだろうが、本能にまで遡った激しさ、力強さ、生に対する渇望を強く感じる描写だった。

 道を踏み外してしまった後、人は、どんな風に人を愛することができるのかを見せて貰った気分である。

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