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　全てを思い出した上で、自分にできることは何か――それが、「まず頑張る」ことだったのが切ない。泣きそうなのを必死に抑えている様子が伝わってくる。

＞「もう、頑張んなくていいじゃんか」

　慶がそう言い終わるや否や、急激に視界が曇る。何やら熱いものが頬を流れたのが分かって、明日香は慌てて顔を背けた。自分でも少し驚く。何これ。頬を手の甲で拭ったけれど、数秒後にはまた濡れる。口にも入ってしまって、少ししょっぱかった。血圧が上がったのか、膝もガンガンと痛む。

　この部分。フッと解放された感情が上手く表現されていて印象的だった。

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