第三章 ようこそ!ここは極楽浄土
第三章 ようこそ!ここは極楽浄土 1-1
七月七日
湘南と云う場所だけあって、こうして窓を開け夜風に当たっていると、
風にわずかな潮の匂いを感じる。
黒松の林は
まだ見に行ったことはないが。
この
今日は先生が飼っていた鳥が逃げたので、探して外の屋敷まで足を伸ばした。
そこの状態といったら本当にボロで……。
もう使われていない場所だと聞いていたから窓枠に小さな羽の塊が落ちていたのを見て、立て付けの悪い窓を蹴破って入ってしまった。
だれか居るなんて知らなくて乱暴にしてしまったのだけど、中には女の子が居た。
驚かせてしまったかも。気にしていないといい。
茉莉花の花を贈った。
長い髪の上の方に挿してあげた。
意地でも名前を教えてくれないので、勝手に茉莉花と呼ぶことにした。
(でも今思うと、花の名前だなんて気障だったかな……)
また会いにいったら、話してくれるだろうか。
あの子と友達になりたい。
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