困った時の

ヒロシ「すやすやと眠っているものだとばかり思っていたら、無意識のうちに僕ってば外をうろうろしていたみたい。この札束はなに? この血塗られた鈍器のようなものはいったい?」



マルぼん「思い出せないの?」



ヒロシ「都合の悪いことは光のはやさで脳内から消去することが、楽しく生きるコツなんさ。今回はその能力が裏目にでたみたいね」



マルぼん「ふむ。それならこれを飲んでみよう『総集編の種』。この種を飲むとだね、いままでの人生のおいしいところが編集されて、総集編として脳内で再生される」



ヒロシ「へえ。さっそく飲んでみよう。ごく」



マルぼん「どう?」



ヒロシ「なんか、子供のころの楽しい思い出ばかりが再生される」



マルぼん「他は?」



ヒロシ「とくになにも……」



マルぼん「あ」



ヒロシ「どうしたの?」



マルぼん「ははは。めんごめんご。まちがって青酸カリわたしてたわ」br>


ヒロシ「ははは。そんなバカな。だってきちんと、総集編が脳内で…再生……」



 ヒロシの体がぐらつきました。



ヒロシ「わか…った。今の、総集編じゃなくて……走馬灯…………」


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