遅刻対策
ヒロシ「うわー遅刻遅刻!」
デモシカ先生「大沼、また遅刻か! 罰として、校長先生が将来入る予定の巨大な墓の建設のための労働半年間!」
ヒロシ「ひょえー!!」
ヒロシ「僕が遅刻したのも、学校が家から遠いせいだ! 山道を20キロも歩かなきゃならないなんて異常だよ!」
マルぼん「アフリカ出身のすごいマラソン選手の少年時代みたいでいいじゃん。毎朝、山道を20キロ歩いて通学、って」
ヒロシ「よくないよー。学校が家の近くになる機密道具だしてー!」
マルぼん「しかたないなー『近頭突きヘルメット』。このヘルメットを被って、家の近くに来てほしい建物に頭突きをかます。1回頭突きをかますと、約1メートル、その建物は家に近づいてくる」
ヒロシはさっそく『近頭突きヘルメット』を被って、学校へ向かいました。
宿直の教師「な、なんだおま…」
とっさに、宿直の教師をクロロホルムで眠らせるマルぼん。
マルぼん「さぁ、思う存分」
ヒロシ「よし!」
ガツン、と、さっそく学校の後者に頭突きをかますヒロシですが。
ヒロシ「痛え! ヘルメットを被っているのに、本格的に痛い!」
マルぼん「機密道具としての効力を優先させるため、ヘルメット本来の『頭を守る』という能力は皆無に等しいんだ」
ヒロシ「く…で、でも、快適な通学のためだ。あきらめるものか! キエー!」
そして続く、ヒロシの頭突き。ガツン、ガツンという音が響きます。なぜでしょう。そのガツンという音を聞いていたら、マルぼんは心が洗われていくような気がしました。音は、108回で止みました。ああ、除夜の鐘だ。澄み切った心になったマルぼんは、気づきました。それは、少し早めの除夜の鐘の如し、でした。ああ、お正月フライング。
医者「なぜこんなになるまで、放っておいたのです。この人の体は、もうボロボロですよ」
108回の頭突きで力尽きたヒロシは病院に運ばれたのですが、上記は主治医の発言です。マルぼんは、死期まで近づけてしまった『近頭突きヘルメット』の効果は絶大だと思いました。
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