ヒロシ、どこかでなくしたアイツのアイツ

ヒロシ「おおお」



マルぼん「どうしたんだよ、ヒロシ。横山光輝先生の漫画に出てくる武将みたいな泣きかたして」



ヒロシ「僕が数年かけて調べたルナちゃんのプライベート情報をまとめた秘密ダイアリーを、どこかに落としてしまったんだ。

あれさえあれば、ルナちゃん一家からいくらでもふんだくれるのに…」



マルぼん「そんなお宝を落とすなんて…君は本当に生きる価値がないね。しかたない。これを使おう。『リ炭』。この練炭を炊いて発生した煙を吸えば、落としたものが戻ってくる。どんな仕組みかは秘密だよ」



ヒロシ「さっそく炊いてみよう…おお! 秘密ダイアリーが戻ってきた! それだけじゃない。この前失くした財布も!!」



ママさん「げほげほ。なに、なんなの!? あ、練炭!! 死ぬ気!? 死ぬ気なの!? ばか、自殺じゃ保険金はおりへんねんで!!」



刑事「平林エカテリーネだな」



ママさん「!!」



ヒロシ「なにこの刑事。お母さんに向かって、エカテリーネだって。ママには大沼うどん子という立派な名前があるのに」



刑事「『大沼うどん子』は、この女が殺した女の名前だ。この女は、殺した相手になりすましたのさ。時効寸前…残念だったな」



ママさん…いや、エカテリーネ「トウトウ、バレテシマッタデスネ…アト…アト3カ月ダッタノ二」



ヒロシ「母さん!?」



マルぼん「ママさんが落とした過去が…戻ってきたんだ! 『リ炭』の効果は絶大!!」

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