お手柄ヒロシくん
今日の朝刊『ナウマン象くんお手柄! 富士の樹海で56体発見(なにを発見したかはあなたのご想像におまかせします)
!』
ヒロシ「羨ましい!! 僕も…僕も手柄をたてて新聞に載って、内申書を充実させたい! 進学に役立てたい!」
マルぼん「(いい学校に進学成功→いい会社に就職→給料すげえ→ガラクタを『逸品ですぞ!』と売りつけて、金を根こそぎ奪い取る→うはうは)まかせろ!」
ヒロシ「機密道具をだしてくださるのですね!」
マルぼん「『手柄鳥』」
手柄鳥「こけーこけけー」
ヒロシ「まぁ。かわいい鳥!」
マルぼん「今からシめます。この刃物で」
手柄鳥「くけー!! げー…」
ヒロシ「ぬいぐるみや美少女フィギュアで飾られた僕のファンシーな部屋が!僕の夢の城が一瞬にして血だらけに!」
マルぼん「(ブシュザシュと返り血を浴びながら鳥をさばいて)よし。この鳥ガラで出汁をとって…完成! 『手柄鳥ガラのスープ』! ほら! 食べてみてよ!」
ヒロシ「暖かいスープか。おいしそうだねえ」
マルぼん「こいつを飲めば、絶対に手柄をたてることができるんだ」
ヒロシ「(手柄をたてて、世話焼き幼馴染・気の強いクラス委員長・義理の妹などにちやほやされる映像を妄想して)飲む!」
ヒロシは『手柄鳥ガラのスープ』を飲み干しました。
金歯「大変でおじゃる!」
ヒロシ「どうしたの?」
金歯「朕の家にある核施設が、諸事情でとんでもないことになってしまったのでおじゃる! このままでは微笑町は核の炎に包まれるでおじゃる!!」
ヒロシ・マルぼん「な、なんだってー!?」
金歯「施設の奥にある『一発安全ボタン』を押せば事態は防げるのでおじゃるが…それには放射能に犯されまくっている施設を進まねばならぬのでおじゃる! 防護服もたまたま品切れで…」
と、その時。ヒロシが立ち上がりました。
金歯「ヒロシ…うぬ、まさか…」
ヒロシ「か、体が勝手に」
マルぼん「『手柄鳥ガラスープ』の効果だね。今まさに、手柄をたてるべく、ヒロシくんの体は動き出したんだ。
意思とは関係なく。たとえ死んでも体は動き、ボタンを押すだろう」
ヒロシ「やめてとめてやめてとめて!」
金歯「新聞各紙にはきちんと伝えるでおじゃる! 残されたヒロシのオフクロさんは、朕の親父の妾に推薦しておくでおじゃる(親父のほうは宦官に推薦)! 駅前に黄金の銅像を建てるでおじゃる! 墓も建ててやるでおじゃる! うちの奴隷のきれいどころを2~3人殉死させて、同じ墓にいれてやるでおじゃる! うぬのこと忘れないでおじゃる! ありがとう! 本当にありがとう!!」
ヒロシ「うへー手柄なんてこりごりだー」
マルぼんは『手柄鳥ガラスープ』の効果は絶大だと思いました。
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