ぜってぇみてくれよな
飯時、会話もなく、テレビなど観つつ腹を膨らませているマルぼんとヒロシ。テレビでは「ひきこもり特集」がやっていました。
ひきこもりの息子をもって疲れきっている両親の顔。「社会が悪いんだ。君は悪くない」とドア越しでひきこもりに
話しかけるえらい先生。無視してネットゲーをやっている、当のひきこもり。
ひきこもり『世界はパラダイスじゃないから、僕は自分の部屋に自分だけの千年王国を創造したのです。だから、僕はこの部屋をでることはしません。それに親は、僕が死ぬまで面倒をみる義務があるのです。僕という存在をこの世に誕生させた元凶なのですから』
ヒロシ「あ!」
マルぼん「どうした?」
ヒロシ「このテレビにでているひきこもり、顔にモザイクがかかっているけど、高校の時の同級生のシャウエッセン山ソーセー次郎くんだ! ちくしょう、あいつ、いよいよテレビデビューか!」
思わずテレビの画面を拳で叩き割るなど、悔しさを隠しきれない様子のヒロシ。マルぼんてば、とても不憫に思いました。
マルぼん「でてみるか、テレビ」
ヒロシ「でることができるの!?」
マルぼん「『イエローボックス24』。この募金箱にお金をいれると、やさしい気持ちがテレビに伝わって、必ずテレビ番組に出演することができる。募金する額によって、どうやって出演するかが変わるんだ。高ければ高いほど、よい出演ができるんだ」
『イエローボックス24』に5円玉1枚を投入するヒロシ。
数年後。
司会者『今日の「レッツ不謹慎! 突入! 隣の心霊スポットォォォォォォォ!!」は、微笑町某所にある廃屋に来ていますー』
霊能力者のナックル氏『いやーゾクゾクしますなー』
司会者『この家は、未来からきたという怪しい生物に人生をめちゃくちゃにされて果てた少年の霊が彷徨っているそうで、馬がしゃべったりするなど、様々な怪異が怒っているそうです』
霊能力者のナックル氏『こちらは、さきほど家の中を撮ってきた映像です』
司会者『あ。画面の右上に、小さなヒカリの玉が』
霊能力者のナックル氏『この玉こそ、その少年の霊魂ですな』
こうしてヒロシは、全国ネットの「隣の心霊スポット」に見事出演を果たしたのでした。
マルぼんは、『イエローボックス24』の効果は絶大だと思いました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます