グレート無駄

ママさん「まったくヒロくんときたら、朝から晩まで飽きることなくギャルゲーギャルゲー。ほかにやることないの! ゲームばかりやっていてもなにも得るものなどないし、無駄でしょ!」



ヒロシ「無駄じゃないよ! 僕は朝から晩まで飽きることなくギャルゲーで美少女と戯れることで、心を豊かにしているの!」



ママさん「心を豊かにしても、腹はふくれませーん。だから、あなたのやっていることなんて無駄無駄~無駄の極地~」



ヒロシ「く、くやしい! でも確かに、僕の生き方には無駄が多い。マルぼん、僕も無駄のない生き方をしたいよ~」



マルぼん「これを飲みなよ。『飲んだらあらゆる行いが無駄ではなくなる薬』。無駄かと思える自分の行動になんらかの意味ができ、けして無駄ではなくなる薬なんだ」



ヒロシ「わーい」



 さっそく薬を服用するヒロシ。飲み終わった瞬間。



男「さわぐな!」



 猟銃を持った男が、いきなり乱入してきました。



ママさん「きゃー! 命ばかりはオタスケー! 金ならさしあげます! なんなら、この私のはじけんばかりの肉体もっ。抱いて下さい! 赤ちゃん産ませて!」



男「そんなものには興味はねえ! おい、そこの少年!」



ヒロシ「は、はひっ!」



男「俺の目の前で、朝から晩まで飽きることなくギャルゲーをやれ! そして美少女と戯れろ! 俺は、『少年が朝から晩までギャルゲーをやる姿』に、色々と感ずるものがあるんだ。簡潔いうと、萌えるんだ。

もしやらなければ、猟銃(あいぼう)が火を噴き、貴様らの命を焼き尽くす! 助かりたくば、ギャルゲーをやって、俺のもうひとつの相棒に色々なものを噴かせろ!!」



ママさん「ヒロくん! はやくギャルゲーを! そのギャルゲーをやるのよぉ!」



 と、その時。つけっぱなしになっていたラジオから、色々なニュースが流れてきました。



ニュース『微笑町のボツリヌス山ビフィズス郎くんは重い病気です。ヒロシくんが朝から晩まで飽きることなくギャルゲーをやれば、病気は治ります。みなさん、ヒロシくんがギャルゲーを買うための募金をお願いいたします』



ニュース『南ツンデレ村と東ヤンデレ村で、年貢の免除と、ヒロシが朝から晩まで飽きることなくギャルゲーをやることを望む村人による一揆が発生しました。西クーデレ村の一部村人も混ざっているようです』



ニュース『国際テロ組織「マッハ殺害団」が、日本の大沼ヒロシ少年が、朝から晩まで飽きることなくギャルゲーをやらなければ、世界各国の主要都市で、大量の糞尿を撒き散らすテロを行うと表明しました』



 マルぼんは『飲んだらあらゆる行いが無駄ではなくなる薬』の効果は絶大だと思いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る